第72回アメリカ手外科学会(ASSH)でBest Paper賞を廣澤直也先生が受賞しました

更新日 2017.9.22

平成20年卒
廣澤直也

 この度、2017年9月7日~9日までアメリカのサンフランシスコで開催されました、第72回アメリカ手外科学会(ASSH)にて“ Basic Fibroblast Growth Factor-induced Heme oxygenase-1 mRNA Expression Underlies Therapeutic Benefits of Vein Wrapping ”の演題名で、Best Paper賞を受賞致しましたので報告させて頂きます。

 大学院に帰局以降、村上賢一先生が行われてきた末梢神経障害性疼痛の外科的治療の一つであるVein Wrappingの基礎研究を引き継ぎ、更なるメカニズムの探求を行ってまいりました。本研究は、千葉大学ペインロコモグループ、そして、北里大学整形外科との共同研究で進めてまいりました。本研究の論文を作成、各Journalへ投稿するも散々たる結果で落胆していた際に、この受賞の報告を受けました。これまでに頑張ってきた研究が世に認められた気がして大変嬉しく思いました。

 私のような身分、努力量でこのような賞を受賞できたことは大変幸運だと思っています。基礎研究を始めてから私は、多くの素晴らしい先輩に出会い、多くのことを教えていただきました。ラグビーしかしていなかった学生時代に、大鳥精司教授から、「自分の人生は他人が開いてくれる」と言われました。その当時は、自分の人生は自分で開くのではと思ってました。若造でした。この研究を通してその意味がようやくわかりました。

 本研究、私の大学院での研究は、北里大学の内田健太郎先生の存在なくしては語れません。研究のプランニング、論文の書き方などなど、全てにおいて私を指導してくださいました内田健太郎先生にはこの場をお借りして深く深く御礼申し上げます。また、研究の先が見えず鬱になった私からのメールを真摯に受け止めてくださった井上玄先生、路頭に迷っていた私をランチタイムに救い人生を変えてくださった宮城正行先生、何度も津田沼に呼び出し飲みながら一緒に研究を考えてくださった村上賢一先生、日々研究のアドバイスを頂きましたロコモペインリサーチグループ先生方、臨床のサポートをして下さった手外科グループの先生方、とことん研究をやりなさいと背中を押してくれた國吉一樹先生、好き勝手に研究する環境を与えてくださった大鳥精司教授、高相晶士教授、本当に皆様のおかげで獲得できた賞だと思っております。本当に本当にありがとうございました。

 今後も努力、時間を費やし自分にできることを精一杯頑張りたく思いますし、自分が受けてきた恩恵を後輩に与えてあげられるよう力をつけたく思います。