UCL大学院Performing Arts Medicine学科の卒業生として紹介されました

更新日 2018.10.30

平成19年卒
金塚 彩

 英国University College London (UCL) 大学院 Performing Arts Medicine学科への留学を終え、帰国いたしました。指導医でプログラム長のHara Trouli先生からご推薦をいただき、同学科の卒業生としてホームページにて紹介されましたので、ご報告いたします。


 

 私が紹介されたのは、大英博物館からほど近いInstitute of Sport Exercise & Health (ISEH)のホームページ内です。 UCL大学院のPerforming Arts Medicine学科のほか、Sports Medicine, Exercise & Health学科の講義もこのISEHの建物内で授業を行なっていたので、学生や講師間の交流がありました。例えばバレエダンサーのけがは、スポーツ医学とパフォーミングアーツ医学の両方にまたがる問題であり、さかんに意見交換がありました。スポーツ医学学科には整形外科医も多数在籍しており、互いに良い刺激を与え合う関係でした。

 

 留学中、たくさんの人との出会いに恵まれました。イギリス人は一見クールなところがありますが、私の中に何らかの価値を認め一旦心を開いてくれたら、その後は本当に温かく親切にしてくれる人たちでした。前例のないことでも、−特に信頼できる人からの紹介があった場合には−、その新規性の中に意義を見出せるならばなおさらのこと、挑戦者に機会を与えてくれる場所でした。卒業式は来年の夏と聞いています。もし叶うならぜひ参加したいと思っています。

【紹介ページの和訳】

<プロフェッショナル バイオグラフィー>

Ayaは手外科を専門とする日本の整形外科医です。千葉大学医学部を卒業し、千葉大学医学部附属病院で研修を修了しました。大学院にも進み、解剖学的研究に従事しました。彼女の博士論文のテーマは、横手根靱帯上を走行するHypertrophic Thener Muscleと正中神経運動枝の異常走行との関連性に関する解剖学的検討でした。

 

Ayaはピアニスト、バイオリニストであり、元クラシックバレエダンサーです。彼女にはけがの経験があり、それはバイオリンの演奏能力に影響を与えるものでした。その体験に基づき、2015年、日本のアマチュアとプロ音楽家におけるパフォーマンス関連性筋骨格系障害(PRMDs)の罹患率を調査する疫学的研究を行いました。この研究は花王芸術科学財団により助成を受けました。この研究への没頭が、彼女の音楽家のけがへのさらなる理解に強い影響を与え、パフォーミングアーツ医学を学びたいという情熱に火をつけました。

 

彼女はベルリンにあるシャリテ医科大学のInterdisciplinary Competence Centre of Musician’s Medicineを訪れました。日本に同様のセンターを設立する際の参考にしたいとの考えからでした。 そして2017年にはUniversity College London (UCL) Performing Arts Medicineディプロマに入学しました。ここではIan Winspur医師やHara Trouli医師、またその他の多くのパフォーミングアーツ医学のスペシャリスト達から、全てのジャンルのパフォーマーに影響を与えるコンディションについて深く学ぶ機会が与えられました。またロンドン滞在中、Guildhall School of Music and Dramaの鍵盤楽器科において、“ピアニストの手のけがについて講演を行うチャンスを得ました。これはピアニストの小川典子教授のご厚意によるものでした。UCLへの留学は吉田育英会によって助成されました。Ayaは成功を収め、2018年にUCLdistinction(極めて優秀な成績)で卒業しました。最近日本に帰国し、千葉大学病院整形外科にパフォーミングアーツ医学に特化した外来を発足させています。

ISEHのホームページへのリンク>

卒業生リスト:https://www.iseh.co.uk/education/student-profiles-new

私の紹介ページ:https://www.iseh.co.uk/consultantdetails/ucl-masters-courses/1140/Aya--Kanazuka