教室例会のご報告・受賞者の声

更新日 2018.12.3

平成30年度例会担当
葉 佐俊(H25)、志賀 康浩(H18)

1124日、25日に第1394回千葉医学会整形外科例会が医学部附属病院ガーネットホールにて開催されました。

本年は例年よりも早い時期の開催となりましたがそれにも関わらず昨年と同等の101題の登録があり、基礎から臨床まで多岐にわたる内容の発表がありました。両日とも朝早くからの開始となりましたが200名以上の先生方に参加いただき、活発な討論が行われました。

本年度も台湾からのトラベリングフェローの陳先生、林先生の参加、発表がありました。両先生の発表はとても興味深く、様々な知見が得られました。

また台湾の先生方も私たちの発表に刺激を受けたとのことでした。近い国同士、今後ともお互いに高め合っていけるようになればと思います。

本年度の例会awardは若手部門に嶋田洋平先生(H24)、基礎部門に木下英幸先生(H24)、臨床部門に岩倉菜穂子先生(H14)が選出されました。

また、昨年度例会で発表された演題の中から英文誌に採択された論文のうち、特に優秀なものとして若手部門に寺川寛朗先生(H27)、基礎部門に木下英幸先生(H24)、臨床部門に縄田健斗先生(H21)が千整会奨励賞に選出されました。

ご参加いただいた多くの先生方の協力により本年度も無事開催できましたことを心より御礼申し上げます。

  • 例会アワード受賞者:左より嶋田洋平先生(若手部門H24卒)、木下英幸先生(基礎部門H24卒)、岩倉菜穂子先生(臨床部門H14卒)
  • 台湾トラベリングフェロー Dr. 陳
  • 台湾トラベリングフェロー Dr. 林

受賞者の声

千整会Award

臨床部門

「手根管症候群を初発症状とした若年女性の全身性アミロイドーシスを伴う多発性骨髄腫の1例」

 

岩倉菜穂子(東京女子医科大学整形外科 平成14年卒)

 

 この度、第1368回千葉医学会整形外科例会で臨床部門のAwardをいただきました、ありがとうございます。様々なすばらしい研究発表があった中で、症例報告が臨床部門のAwardで良いのか、とも思いましたが、見逃すと致命的になる疾患の合併症が整形外科のcommon diseaseの中に混ざっていることがあるということの怖さがお伝えできたのならば嬉しいです。せっかくですので、今回の発表の簡単な内容を書いておこうと思います。

『40歳女性。両手しびれと夜間痛を主訴に紹介受診。理学所見と神経伝導速度検査より両側とも手術適応のある手根管症候群と診断。術前より手指の硬さを認め、強皮症などの膠原病を疑い採血するもCH50の軽度上昇を認めるのみであった。初診より3か月で右、7か月で左の手根管開放術。膠原病の疑いを払拭できなかったため、左の術中に滑膜を病理へ提出、アミロイドの沈着を認めた。術後、電気生理学的には改善を認めるも、手指の拘縮、下肢の浮腫が出現したため、初診より8か月で膠原病内科紹介、TRACP-5b高値以外は異常の指摘なし。初診より13か月で骨代謝外来紹介、骨密度は軽度低下のみ、レントゲンは異常なし。初診より19か月で多発関節痛、巨舌などを認めたため総合診療内科紹介。全身性アミロイドーシスを疑われ、初診より20か月で血液内科にて多発性骨髄腫の診断となり治療が開始された。』

 以上のように、アミロイドーシスを疑わないと病理でアミロイドがでていたとしても診断ができないという残念な経過となってしまいました。疑えてさえいれば1年近く早く診断がついた可能性を考えると、猛省している症例です。今回の症例は明らかに通常の手根管症候群とは異なる経過をたどっていました。もし少しおかしい経過の手根管症候群を経験したときに、そういえばこんな症例あった気がする、とちょっとでも頭をよぎってもらえれば、恥ずかしい経験をさらした甲斐があるというものです。今後、このような症例を積み重ねないよう精進していきたいと思います。ありがとうございました。

 

基礎部門

「凍結乾燥多血小板血漿の薬理学的活性の検討」

 

 木下英幸(千葉県がんセンター 平成24年卒)

 

 このたび平成30年度千葉医学会整形外科例会の基礎部門最優秀演題賞を受賞させていただきましたのでご報告させていただきます。

 本研究はこれまでに千葉大学整形外科のロコモ・ペイングループで取り組んできた凍結乾燥多血小板血漿の薬理学的活性をin vitroで評価したものであります。また、これは昨年例会で発表させていただいた「サルコペニアにおける酸化ストレスの関与および抗酸化剤の効果の検討」というテーマと並行して大学院生時代に行ったものです。数ある素晴らしい演題の中でそれらを評価していただきましたこと、大変光栄に存じます。多血小板血漿 (PRP) 療法は千葉大学でも臨床・基礎研究の両者でこれから力をいれていく分野であり、また凍結乾燥多血小板血漿も臨床応用するにあたり、より一層詳細な基礎的検討が必要となります。今後のさらなる発展を祈願しております。

 私は今年度より千葉県がんセンターに赴任させていただきました。骨軟部腫瘍の基礎研究を開始しましたが、日常の臨床も含め、千葉県がんセンターは今後人材不足となりかねません。若い先生方で、臨床はもとより基礎研究も我々と共に没頭したいと考えている先生がいらっしゃいましたら、千葉県がんセンターから千葉大学整形外科を盛り上げるべく、一緒に頑張りましょう。

 最後になりますが、このような研究を支えてくださいました、大鳥教授、折田先生、稲毛先生、志賀先生をはじめとした教官の先生方、同門の先生方、また日頃より千葉県がんセンターでご指導いただいております、石井先生、米本先生、鴨田先生、塚西先生にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。

 

若手部門

「超高齢者における人工肩関節全置換術の治療成績」

 

 嶋田洋平(船橋整形外科 平成24年卒)

 

この度、第1394回千葉医学会整形外科例会にて大変恐れ多いことですが、若手部門のAwardに採択されましたので御報告させていただきます。

今回私は「超高齢者におけるTSAの治療成績」について発表させていただきました。 近年RSAの適応が増えつつある中で、TSAの切れ味のよさに再度注目が集まっており、貴重な御質問や御意見を頂きました。この賞を励みにより一層精進していく所存でございます。

 私の研修先である船橋整形外科について少し御報告させていただきます。船橋整形外科は整形外科が50人ほど勤務されており、私が所属している肩・肘チームは菅谷先生、高橋憲正先生、海外fellow2.3人を含め17人ほどおり、世界レベルの医療というものを日々体験させていただいております。またその他にも海外fellowや他大学の先生との交流も盛んで非常に刺激的かつ充実した研修を送らさせて頂いております。こういった経験を今後大学の後輩や新入局者、学生さんにも伝えていければと存じます。

 最後になりますが、日々ご指導をして頂いております、菅谷先生、高橋憲正先生をはじめ船橋整形外科の先生方、また船橋整形外科での研修の機会を与えて下さりました大鳥教授、道永先生、白土先生をはじめとした多くの同門の先生方に改めましてこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

今後とも御指導、御鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

 

 

千整会奨励賞(論文Award)

臨床部門

「Transitional changes in the incidence of osteonecrosis in systemic lupus erythematosus patients: focus on immunosupressant agents and glucocorticoids」

Kento Nawata, Junichi Nakamura, Kei Ikeda, Shunsuke Furuta, Hiroshi Nakajima, Seiji Ohtori, Shigeo Hagiwara, Yasushi Wako, Michiaki Miura,Yuya Kawarai, Masahiko Sugano, Kensuke Yoshino, Sumihisa Orita, Kazuhide Inage, Tsutomu Akazawa

Rheumatology (Oxford). 2018 May 1;57(5):844-849. doi: 10.1093/rheumatology/key009.

 

縄田健斗(リウマチ・股関節グループ 平成21年卒)

 

この度は栄えある第3回千整会奨励賞の臨床部門に選出いただき大変光栄に存じます。

この研究は、SLEの治療変遷における骨壊死発生頻度の推移を調査したもので、昨年度の教室例会で発表した内容をもとに論文に致しました。骨壊死の研究は大変歴史があり、これまでに多くの先生方が偉大な功績を残しておいでです。そのような研究に僅かではありますが携わることが出来た事を大変嬉しく思っております。

研究をサポートして下さった中村順一先生をはじめ、萩原茂生先生、アレルギー膠原病内科の先生方、外来でのMRI予約作業を強力にサポートして頂いた股関節グループ先生方には大変感謝をしております。この場をお借りして皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

 

基礎部門

「Skeletal Muscle Cell Oxidative Stress as a Possible Therapeutic Target in a Denervation-Induced Experimental Sarcopenic Model」

 

Kinoshita H, Orita S, Inage K, Yamauchi K, Abe K, Inoue M, Norimoto M, Umimura T, Eguchi Y, Fujimoto K, Shiga Y, Kanamoto H, Aoki Y, Furuya T, Suzuki M, Akazawa T, Takahashi K, Ohtori S.

Spine (Phila Pa 1976). 2018 Oct 5. doi: 10.1097/BRS.0000000000002891.

 

木下英幸(千葉県がんセンター 平成24年卒)

 

 このたび第3回千整会奨励賞の基礎部門に選出いただき誠に光栄に存じます。

 今回選出して頂きました論文は、昨年の例会で発表させていただきました「サルコペニアにおける酸化ストレスの関与および抗酸化剤の効果の検討」というテーマを論文化したものです。これは大学院の学位論文でもあり、学位論文をこのようにご評価いただきましたことは大変うれしいことであります。今後はこの基礎研究で得たサルコペニアの知見を「がんロコモ研究」の臨床研究にも生かして参りたいと思います。また、千葉県がんセンターにて骨肉腫を始めとした骨軟部腫瘍の基礎研究も行う予定ですので、ご興味のある若手先生は是非とも千葉県がんセンターの検討もよろしくお願い致します。

 最後になりますが、このような研究と論文化をご指導いただきました、大鳥教授、折田先生、稲毛先生、志賀先生をはじめとした教官の先生方、同門の先生方、また日頃より千葉県がんセンターでご指導いただいております、石井先生、米本先生、鴨田先生、塚西先生にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。今後は臨床研究や基礎研究ともにより一層励んでいきたいと思いますので、さらなるご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。

 

若手部門

「Favorable outcome of a tractional direct anterior approach to total hip arthroplasty in a patient with Charcot arthroplasty: case report」

 

Hiroakira Terakawa, Junichi Nakamura, Masahiko Sugano, Shigeo, Hagiwara, Yasushi Wako, Michiaki Miura, Yuya Kawarai, Kento Nawata, Kensuke Yoshino, Sumihisa Orita, Seiji Ohtori.

Chiba Medical J. 94E : 55-59, 2018

 

寺川寛朗(柏市立柏病院 平成27年卒)

 

この度第1367回千葉医学会整形外科例会で発表させていただいた内容を元に作成したFavorable outcome of a tractional direct anterior approach to total hip arthroplasty in a patient with Charcot arthroplasty: case reportが第三回千整会奨励賞(若手部門)に選出いただきましたのでご報告させていただきます。このような栄誉は自分に縁のないものと思っておりましたので、唯々驚いております。

初めての例会での発表後の、初めての英語論文作成であり、今回御評価いただけたことはひとえにご指導賜りました先生方のお力によるものであります。中村先生、菅野先生をはじめ、ご指導くださいました先生方に深く御礼申し上げます。本受賞を励みに今後もより一層精進して参りたいと思いますので、今後とも変わらぬ御指導御鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。