Medical

グループ・診療

リウマチ・股関節

更新日 2017.7.11

グループ紹介

リウマチ股関節外来は中村順一講師,萩原茂生助教,鈴木昌彦工学部教授を中心として数名の医師でリウマチ疾患と成人股関節疾患の診療にあたっています。

 専門外来日は月曜日の午前・午後(受付時間8:30~10:30、12:00~13:00)です。初診の際は紹介状が必要となります。画像は電子媒体でお持ちください。

 対象疾患は関節リウマチ、股関節疾患(臼蓋形成不全、大腿骨頭壊死症、変形性股関節症、急速破壊型股関節症など)、人工膝関節の適応となる膝疾患です。

 大学病院の使命として、診療、研究、教育の役割を果たしています。また、地域医療連携として、旭中央病院みどりのは葉記念病院と提携しています。

 

※ 2015年4月1日より旧リウマチグループと旧成人股関節グループはリウマチ・股関節グループとして再編しました。

 

主な疾患

関節リウマチ

関節リウマチの原因はいまだに不明ですが、免疫機構の異常から炎症性サイトカインが活性化して滑膜細胞の増殖と関節炎を生じ、関節破壊が進行すると考えられています。近年、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬や生物学的製剤を積極的に使うことによって患者さんのQOL(生活の質)を維持し、寛解に導くことが可能になってきました。今後は、薬物療法と手術療法、リハビリテーションのバランスの取れた集学的治療により、さらなるQOLの向上が期待されます。

股関節

大腿骨頭壊死症は当外来が最も得意とする分野であり,画像解析や保存加療,手術治療に至るまで万全なサポート体制が取られています(メディカルノート)。

 

▼詳細を開く

 当教室では1987年からMRIによる画像研究に取り組み数々の業績を上げてきました。ステロイドによる骨壊死は大腿骨頭壊死だけではなく、全身性に多発性に起きることが知られていました。しかし、好発部位や頻度は不明でした。MRIで骨壊死の頻度は、股関節63%、膝51%、足16%、肩16%であり、両股両膝4関節のMRIを評価すれば、多発性骨壊死のスクリーニングが可能であることが分かりました。そして、このMRIスクリーニング法を用いてステロイド投与開始からprospective studyを行ったところ、ステロイド投与後3-4ヵ月で大腿骨頭壊死を発生することが明らかになりました(Sakamoto M. J Bone Joint Surg Br 1997)。また、全身性エリテマトーデスでは大腿骨頭壊死の発生率は44%と非常に高率であることが分かりました(Oinuma K. Ann Rheum Dis 2001)。さらに、小児では大腿骨頭壊死を生じにくいことが分かりました(Nakamura J. Arthritis Rheum 2010)。この理由を解明するために、ダイナミックMRIを用いてステロイド投与後の大腿骨頭への血流を調べたところ、小児は骨頭血流が豊富なので壊死を発生しにくいことが示唆されました。また、ステロイド減量につれて骨頭血流が回復することが示唆されました(Nakamura J. Lupus 2012)。

 2000年当時は大腿骨頭壊死の初期像がバンド像なのか骨髄浮腫なのか、議論がありました。MRI prospective studyによって、大腿骨頭壊死の初期像はバンド像であり、無症候性であることがわかりました(Iida S. Am J Roentgenol 2000)。これを骨壊死の発生と呼びます。また、圧潰すると骨髄浮腫を生じて、症候性となることが分かりました。これを骨壊死の発症と呼んで区別しています。従って、骨頭圧潰の予後予測をすることが治療方針の決定に重要となります。MRIでの荷重部に占める壊死範囲が大きいほど、骨頭圧潰を生じやすいことがわかりました(Shimizu K. J Bone Joint Surg Am 1994)。大腿骨頭壊死症では約2/3で手術が必要となります(Shigemura T. Eur Orthop Traumatol 2014)。

 それでは圧潰を生じなかった骨壊死の運命はどうなるのでしょうか?従来は一旦壊死したら治らないと言われてきました。ところが、10年以上MRIで経過観察したところ、約半数に自然修復を認めました(Nakamura J. Lupus 2010)。壊死組織の周りは修復組織が取り囲み、さらに外側には正常組織があるので少しずつ自然に修復されていくことが示唆されました。また、少量のステロイドであればステロイドの蓄積性や積算量、総投与量は骨壊死発生に関係がないことも分かりました(Nakamura J. Clin Exp Rheumatol 2010)。

手術治療

リウマチによる関節変形,および股関節疾患に対する手術治療を行っており,最新の手術機器の開発も積極的に行っています.

▼詳細を開く

リウマチ・股関節の手術治療について

関節温存術として、大腿骨頭壊死症には西尾式湾曲内反骨切り術、臼蓋形成不全には名古屋大学長谷川式偏心性寛骨臼回転骨切り術を行っています。(図2-3)

図2

図3

 

人工股関節全置換術(THA)は、牽引手術台を用いた仰臥位前方法(Traction DAA)を採用しています(メディカルノート)。近年、最小侵襲手術への意識の高まりや早期回復への社会的要請から、THAの進入法が注目されています。前方アプローチは股関節を支配する神経や筋肉を損傷しない真の筋間進入法です。術前計画としてZed Hip(LEXI社)による三次元テンプレートを行っています(図4)。創処置では、術後早期の入浴と抜糸のいらない真皮縫合、ノードレーンを採用しています。

図4

 

 

 

 

 

 

 

 

人工膝関節置換術(TKA)は、当教室が開発に関わった帝人ナカシマ社のインプラントHi-tech Knee IIとFINE Kneeを第一選択にしています(図5)。2015年9月より大腿四頭筋を温存する内側アプローチを採用しています。内側アプローチでは術後の痛みが少なく、筋力の回復が早く、よく曲がります。傷跡が残らないように縫合方法を工夫しています。術前計画としてZed Knee(LEXI社)による三次元テンプレートを行っています(図6)。(関節が痛い.com

図5

図6

スタッフ

  • 中村 順一講師
  • Junichi Nakamura MD, PhD.
▼詳細を開く
経歴

    2001年 千葉大学医学部卒業

    2006年 千葉大学大学院(医学博士)早期修了

    2010年 千葉大学整形外科 医員

    2012年 千葉大学整形外科 助教

    2001年 千葉大学医学部卒業

    2006年 千葉大学大学院(医学博士)早期修了

    2010年 千葉大学整形外科 医員

    2012年 千葉大学整形外科 助教

    厚生労働省特発性大腿骨頭壊死症調査研究班施設代表医師

    2017年 千葉大学整形外科 講師

    厚生労働省特発性大腿骨頭壊死症調査研究班施設代表医師 

資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本整形外科学会リウマチ認定医

    日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医・評議員

    日本リウマチ財団登録医

    日本リウマチ友の会会員

    厚生労働省特発性大腿骨頭壊死症研究班研究協力者・指定医

受賞歴

    日本小児整形外科学会 第4回後期Murakami-Sano Asia Visiting Fellowship

    第83回日本整形外科学会学術総会優秀演題賞

    日本股関節研究振興財団 研究助成

    千葉大学研究支援プログラム(特別枠)

    平成22年三井住友海上福祉財団 研究助成 

    平成28年三井住友海上福祉財団 研究助成

    日本整形外科学会・香港骨科医学会Exchange Traveling Fellow

    平成22年度日本整形外科学会奨励賞

    第10回内藤記念若手研究者海外派遣助成(冬季)

    第55回日本リウマチ学会総会・学術集会国際ワークショップ賞・ポスター賞

    第三回千葉医学会奨励賞

    平成23年度文部科学省科学研究費 若手研究(B)

    平成25年度文部科学省科学研究費 若手研究(B) 

    平成29年度文部科学省科学研究費 基盤研究(C)

    平成23年度猪鼻奨学会研究助成

    第1回JCR-EULAR若手リウマチ医トレーニングプログラム

    平成25年度日本整形外科学会アメリカ合衆国・カナダ訪問研修医師団

    第10回内藤記念若手研究者海外派遣助成(冬季)

    第13回内藤記念若手研究者海外派遣助成(春季) 

    千葉大学優秀発明賞

現在の研究
  • ステロイド性大腿骨頭壊死の病態解明
    変形性股関節症の疼痛機序の可視化
    Traction DAA手技の確立
業績一覧
  • 萩原 茂生助教
  • Shigeo Hagiwara MD, Ph.D, Assistant professor
▼詳細を開く
経歴

    2006年 群馬大学医学部卒業

    2006年 千葉労災病院初期研修

    2015年 千葉大学大学院修了

    2015年 カリフォルニア大学アーバイン校 放射線科留学

    2017年 千葉大学整形外科 助教

資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本整形外科学会リウマチ認定医

    大腿骨頭壊死症難病指定医医

受賞歴

    第1195回千葉医学会整形外科例会 

    千整会Award受賞(症例報告部門)

現在の研究
  • 股関節疾患の画像診断
    同種骨移植手術の安全管理
業績一覧
  • 輪湖 靖 大学院生
  • Yasushi Wako, MD.
▼詳細を開く
経歴

    2008年 新潟大学医学部卒業 

    2010年 千葉大学整形外科 入局

    2014年 千葉大学大学院生

資格等

    日本整形外科学会専門医

現在の研究
  • 新鮮凍結屍体を用いた有限要素解析の妥当性検証
    MRI Diffusion tensor imaging による神経描出
  • 三浦 道明大学院生
  • Michiaki Miura, MD.
▼詳細を開く
経歴

    2009年 千葉大学医学部卒業

    2011年 千葉大学整形外科入局

    2015年 千葉大学大学院入学

資格等

    日本整形外科学会専門医

現在の研究
  • 新鮮凍結屍体を用いた大腿骨近位部骨折有限要素解析モデルの検討
    TKAにおける術前三次元計画の検者内検者間信頼性の検討
  • 瓦井 裕也 大学院生
  • Yuya Kawarai, MD.
▼詳細を開く
経歴

    2011年千葉大学整形外科入局

資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本医師会認定産業医 

    JATECプロバイダー

現在の研究
  • 人工関節置換術における最小侵襲アプローチ
    股関節痛の病態解明
業績一覧
  • 1: Kawarai Y, Iida S, Nakamura J, Shinada Y, Suzuki C, Ohtori S. Does the surgical approach influence the implant alignment in total hip arthroplasty?

    Comparative study between the direct anterior and the anterolateral approaches in the supine position. Int Orthop. 2017 May 31. doi: 10.1007/s00264-017-3521-3. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 28567577.  2.387

    2: Kawarai Y, Suzuki M, Yoshino K, Inoue G, Orita S, Yamauchi K, Aoki Y, Ishikawa T, Miyagi M, Kamoda H, Kubota G, Sakuma Y, Oikawa Y, Inage K, Sainoh T, Sato J, Nakamura J, Takaso M, Toyone T, Takahashi K, Ohtori S. Transient receptor potential vanilloid 1-immunoreactive innervation increases in fractured rat femur. Yonsei Med J. 2014 Jan;55(1):185-90. doi: 10.3349/ymj.2014.55.1.185. PubMed PMID: 24339305; PubMed Central PMCID: PMC3874909.  1.154

  • 菅野 真彦大学院生
  • Masahiko Sugano, MD.
▼詳細を開く
経歴

    2009年 和歌山県立医科大学医学部医学科卒業

    2011年 千葉大学整形外科入局

資格等

    日本整形外科学会専門医

現在の研究
  • 股関節前方アプローチにおける外側大腿皮神経損傷リスクの解剖学的検討
    有限要素法による大腿骨近位の骨強度の検討
    寛骨臼回転骨切り術後の長期成績
  • 縄田 健斗大学院生
  • Kento Nawata, MD.  
▼詳細を開く
経歴

    2009年 昭和大学医学部卒業

    2011年 千葉大学整形外科 入局

    2015年 千葉大学大学院 入学 

資格等

    日本整形外科学会専門医

現在の研究
  • SLEにおけるステロイド性骨壊死発生の疫学
    3DCTを用いたTHA術後評価
  • 吉野 謙輔大学院生
  • Kensuke Yoshino, MD.
▼詳細を開く
経歴

    2009年 旭川医科大学卒業

    2011年 初期臨床研修修了 千葉大学整形外科入局

    2011~2017年 大学附属病院および関連病院にて整形外科診療従事

    2017年 千葉大学大学院 大学院生

資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医

現在の研究
  • MRIを用いた股関節周囲の神経走行の研究
  • 鈴木 昌彦 千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター教授
  • Masahiko Suzuki, MD, Ph.D, Professor
▼詳細を開く
資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本整形外科学会リウマチ認定医

    日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医・評議員