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グループ・診療

脊椎(頸椎脊髄,腰椎,側弯)

更新日 2017.11.6

グループ紹介

千葉大学脊椎グループでは,頸椎・腰椎疾患,脊椎脊髄腫瘍,小児・成人脊柱変形に至るほぼ全ての領域をカバーし,国内外の脊椎脊髄疾患分野の臨床と研究をリードしています.

対象疾患

頸椎脊髄疾患

 頚椎・脊髄外来は毎週火曜日の午後1時より診療を行っております。現在のスタッフは古矢丈雄助教を中心に、飯島靖、齊藤淳哉、北村充広、宮本卓弥の5名となっております。また、千葉市立青葉病院の村上正純先生と千葉医療センターの大河昭彦先生に隔週で御協力を頂いております。

 対象疾患は、頚椎症性脊髄症、後縦靭帯骨化症などの頚胸椎圧迫性脊髄症、頚椎症性筋萎縮症、首下がり症候群、脊椎・脊髄腫瘍、脊髄空洞症その他、多岐にわたる診療を行っています。

 

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 頚椎疾患の手術療法については、当科の伝統に則って前方手術を積極的に行い、3椎間以上の頚椎前方除圧固定術では前方椎弓根スクリューによる固定を適応しております。また困難な脊髄腫瘍に対する顕微鏡下手術にも積極的に取り組んでおります。

 また、当グループでは現在医師主導治験・臨床研究を施行中です。2015年9月より急性期脊髄損傷に対するG-CSF療法の医師主導治験を行なっています(詳細はhttp://www.chiba-crc.jp/g-spirit_trial/index.htmlをご参照ください)。圧迫性脊髄症に対する多施設共同臨床研究にも参加しており、該当される患者さんにはご協力をお願いさせていただく場合がございます。

長範囲頚椎前方除圧固定術における前方椎弓根スクリュー固定法

 長い範囲の前方除圧固定術後には、移植骨がずれたりしないように長期間のHalo-vestなどをしていました。千葉大整形外科のオリジナル手術として(考案者:新籾正明)頚椎前方椎弓根スクリュー固定法 (Anterior pedicle screw: APS) をおこなっています。

 移植骨(腓骨=すねの細い方の骨)と頚椎をスクリューで固定する方法で、これによってハローベストなど術後の外固定が不要になり、また移植骨が外れる合併症が皆無となりました。

頚椎高度後弯症に対する矯正固定術

 正常な頚椎では生理的前弯(前方凸のカーブ)がありますが、様々な原因で後弯(逆向きのカーブ)になることがあります。高度な後弯の場合、前を見ることができなくなってしまう例もあります。当科では頚椎高度後弯症により日常生活動作が著しく障害されている症例に対して矯正固定術を行っています。

 

[方針]

柔らかい後弯(後屈にて後弯矯正可能)

 →後方除圧矯正固定+C4/5・5/6両側椎間関節切除+C4/5・5/6前方固定(図1)

 

硬い後弯(矯正不可、骨折変形治癒など)

 →前方除圧(椎体亜全摘)・解離→後方矯正固定(+C4/5・5/6両側椎間関節切除)→前方固定術(骨移植)(図2)

 

 術後合併症を減らすべく工夫を重ねています。

頚椎後縦靭帯骨化症に対する手術

 頚椎後縦靭帯骨化症は、頚椎を連結する靭帯が自然と骨になり脊髄を圧迫する病気です。我が国では脊柱管拡大術が最も広く行われています。脊柱管拡大術をすると脊髄が後方への移動することにより骨化の圧迫がゆるみます(図1左)。しかし頚椎が逆カーブの方や骨化が極端に大きい方では脊髄が十分後方へ移動できず圧迫が残ります(図1右)。

 このような患者さんでは脊柱管拡大術による症状改善は通常の方よりも悪いことがわかっています。

 そのため、通常の頚椎カーブ・極端に大きくない骨化の患者さんには脊柱管拡大術を、逆カーブまたは極端に大きな骨化をお持ちの方には前方除圧固定術または後方除圧固定術を適応しています。

 逆カーブまたは極端に大きな骨化の患者さんの手術後の改善を比較すると、脊柱管拡大術・後方除圧固定術・前方除圧固定術の間で差を認めました(図2)。

胸椎後縦靭帯骨化症に対する後方除圧固定術

 胸椎後縦靭帯骨化症は比較的まれですがかなり重度の下肢麻痺をきたすことも多く、治療に苦労する疾患の一つです。千葉大整形外科では約20年前から後方除圧固定術(背骨の後ろ側の骨を切除+ロッドによる固定を追加)をおこなっています。手術後足の症状はだいたい9ヶ月ぐらいかけてゆっくりと改善、その後は何年間も症状は維持されています。

脊髄腫瘍

 当グループではいわゆる脊椎手術のほかに、脊髄を扱う手術にも力を入れています。主な対象疾患は脊髄腫瘍(硬膜外腫瘍、硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍)や脊髄空洞症です。 

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当グループの脊髄手術の特徴

●県内外のさまざまの病院より患者さんのご紹介をいただいています。
●詳細な神経学的診察と画像検査に基づいて治療方針を決定します。
●手術は顕微鏡下の手技を基本とし、病変の近傍に位置する正常な脊髄や末梢神経に細心の注意を払いながら行います。
●脊髄の手術では基本的に全症例で手術中の脊髄モニタリング (神経機能を調べる検査)を行い、脊髄への負担を確認しながら手術を行います。
●診断・治療に難渋するケースは神経内科や脳神経外科と相談しながら方針を検討します。
●排尿障害については泌尿器科と連携をとりながら診断・治療にあたります。
●術後も遺残するしびれや疼痛についてはペインクリニック等と連携をとりながら治療にあたります。
●残存する麻痺等に対する術後のリハビリテーションについても関連病院、リハビリテーション専門病院と連携をとりながら最善の医療を提案・提供します。

現在の主な取り組み

1. 術前画像診断
PETや新しいMRI撮像法による術前画像診断に力を入れています。

2. 硬膜再建法の工夫
硬膜内に発生した腫瘍を摘出する際は硬膜を切開しなければなりません。硬膜、およびその下のくも膜を切開すると術後髄液漏 (くも膜の下を流れている脳脊髄液の漏出)が問題となることがあります。術後の髄液漏を予防するために人工硬膜の補填や縫合法の工夫に力を入れています。

3. 神経鞘腫摘出術における術後神経脱落症状軽減のための工夫
神経鞘腫では腫瘍の発生源の神経 (根糸または神経根と言います)を切離しなければなりません。神経鞘腫の手術では当該神経切離に伴う術後の神経脱落症状 (支配領域の運動神経や感覚神経が一時的または永続的に麻痺すること)が問題となることがあります。当科では可能な限り、近傍の正常な神経根、根糸の温存に努め、術後脱落症状の低減化を図っています。また、術中電機刺激検査や肉眼所見により当該神経の脱落症状を予想し、発生源の神経の切離についても術中のフレキシブルな対応を心がけています。

4. 髄膜腫の再発予防に対する工夫
髄膜腫では腫瘍摘出のみで対応すると硬膜の浅い層と深い層の間に腫瘍が残存することがあり、再発しやすくなる可能性が近年指摘されています。当科では現在、腫瘍の母床硬膜を含めた腫瘍全摘術、人工硬膜を用いた母床硬膜の再建を行っています。

5. 髄膜腫の術後髄液漏予防に対する工夫
髄膜腫の手術では可能な限りくも膜の温存したくも膜外での手術に努め、髄液漏の予防に力を入れています。

6. 髄内病変に対する手術
上衣腫、星細胞腫、血管系腫瘍等の髄内腫瘍も手がけています。また脊髄炎(脊髄自身の炎症性疾患)と腫瘍性病変の鑑別が困難な症例に対しても積極的に確定診断を目的とした組織生検術を行っています。脊髄髄内病変の手術は、目的とする部位へアプローチする際に正常脊髄を割って進入しなければならないという大きな問題があります。特に症状が進行した患者さんや脊髄の予備能力が下がっている患者さんの治療では術後の耐え難いしびれや後索症状 (足の位置がわかりにくい、皮膚の感覚がおかしい)が問題となるケースが多く、当グループでは術後遺残症状に対するフォローにも力を入れています。

7. 脊髄空洞症に対する手術
病因に応じて各種手術治療(後頭下減圧術、各種シャント増設術)を行っています。難治例・再発例に対しては、個々の病態に応じたオーダーメイド治療を心がけています。

8. その他
その他に、脊髄ヘルニア、嚢腫性病変、転移性腫瘍等、比較的頻度の少ない疾患の治療や癒着性くも膜炎等の難治性の疾患の治療も積極的に行っています。

腰椎疾患

腰椎外来は大鳥精司教授(科長)、折田純久助教,稲毛一秀助教を中心に数名の医師で診療にあたっており、木曜日午前は診察(初診・再診)、午後は検査日となっています。千葉県内はもとより関東一円から紹介患者さんを受け入れており、主な対象疾患は腰椎椎間板へルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症、骨粗鬆症など腰椎疾患全体にわたります。通院患者さんは手術療法の適応となる方が中心ですが、その他にも従来の治療が無効であった腰椎椎間板由来の疼痛に対するブロック療法など、世界に先駆けた最先端の治療を行っております。

腰痛よりむしろ下肢痛、痺れとなって現れる病気には腰椎椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症,腰痛が中心となる病気には椎間板変性による腰痛,骨粗鬆症と圧迫骨折,ぎっくり腰,脊椎の周囲から来る腰痛(筋肉、内臓など)などがあります.

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腰椎疾患について

成人人口の約9%は慢性痛に悩まされており、経済損失は年間約9兆円といわれています。なかでも腰、下肢痛を訴え整形外科を受診する患者さんは、社会の高齢化に伴って年々増加しています。腰痛は人生のうち85%以上のヒトが経験するといわれております。腰、下肢痛を生じる整形外科領域の疾患としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症、ぎっくり腰、筋肉痛、内臓疾患などがあり、その他に心因性のものもあります。ここでは腰椎の仕組みと腰痛を引き起こす代表的な疾患を取り上げ、その予防法、治療法を解説します。

 

腰椎の仕組みと働き

背骨は頚椎から始まり、尾椎に終わります。ヒトは二本足歩行をするようになってから、骨盤の傾きをうまく代償するように背骨が緩やかにS字状のカーブを描いております。背骨の中で腰椎は大きな5つの椎体からなっております。また、この部位には一番大きな衝撃がかかってきます。これらを支えるのが椎体と椎間板というクッションです。椎体は外側が強い皮質骨で卵の殻のようになっており、中は蛛の巣状の海綿骨からなります。椎間板はバームクーヘンのような弾力性のある年輪状の構造物と中にゼリー状の髄核が入っています。これらが腰痛の発生に大きく関与しています。腰痛はヒトに生まれた宿命であり、先ほど申し上げましたように大部分のヒトが経験します。ですから、充分に腰椎の仕組みと病気を理解してうまく付き合っていくことが大事でしょう。    脊椎は脳から続く脊髄や神経根など大事な神経を守っています。この部分は可動性がありますので、体を前後に曲げたり横に曲げたり、捻ったりすることが可能となります。病気になりやすいのは第3腰椎から第5腰椎にかけてで、その理由はこの部分の動きが大きく一番ストレスを受けやすいからです。また第11胸椎から第1腰椎にかけてはS字の中間点にありここもストレスを受けやすくなっております。骨粗鬆症の圧迫骨折はここに発生します。因みに、第4腰椎と第5腰椎のレベルが丁度ベルトをする骨盤の骨の位置なのでこれを目安に考えてください。    腰椎の中には脊柱管という空間があり馬尾、神経根という神経が通っています。一つ一つの腰椎の孔から出て、坐骨神経となって足先までいっております。これらの神経は下肢を動かしたり(運動神経)、感覚を脳に伝えたり(感覚神経)、排尿や排便をつかさどる神経に分けられます。したがって腰椎に病気があると腰痛にもなりますが、下肢の痛み、痺れ、運動障害、排尿障害等が出てきます。また障害されているのがどの神経根かによって、症状の出方が違います。例えば、一番症状を起こしやすい神経根は第5腰椎の孔から出る神経根ですがこの場合は、腰痛から殿部の痛み(坐骨神経痛)、膝下外側の痛み、母趾の筋力低下などを生じます。  一般の方々が最も勘違いしやすい点は、腰が痛い=腰椎椎間板ヘルニアと考えやすい点です。一般に腰椎椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症は神経根を圧迫する病気なので腰痛よりはむしろ下肢痛、痺れをきたすことが多い点に注意しましょう。    これらの脊椎の周りには腹筋や背筋などの筋肉があります。更に腹側には消化器、子宮などの臓器があります。年齢によって筋肉が衰えてくると腰痛の原因になります。また、消化器や産婦人科領域の病気でも腰痛を起すことが知られており、我々も見逃さないよう十分注意しております。

腰椎の手術

 手術療法の選択に関しては病態に応じた精査と慎重な検討を行い、腰椎前方固定術、後方除圧固定術(金属スクリューを含む)、椎体間固定術、椎弓切除術、Love法(椎間板へルニア切除)、内視鏡下手術などさまざまな手術法を選択しています。また、小さいキズから従来以上の成果を生む手術方法(低侵襲前方固定術: OLIF oblique lateral interbody fusion)による画期的な術後経過の改善にも努めております。また、臨床心理士の介入によるより多角的な腰痛治療にも積極的に取り組んでいます。
 当診療グループでは、患者さんの立場に立った丁寧な診療を心がけております。

 

腰椎椎間板ヘルニア

 椎間板の外側の線維輪はバームクーヘンのような年輪状の構造となっており,何らかの原因によって線維輪に亀裂が生じると,中心部分の髄核が飛び出して膨隆します。それにより椎間板が後方に突出し,神経根を圧迫しますが、この病態が腰椎椎間板ヘルニアです。腰椎椎間板ヘルニアでは,もちろん腰痛を訴えることもあるが,基本的には神経根障害であり,臀部から下腿にかけての疼痛が主体となります。急性期は斧で下肢を切られる痛みと称されます。ヨーロッパで発見されたアイスマンというミイラの解析ではこの頃より椎間板ヘルニアはあったとされ、日本の縄文時代に相当する歴史があります。

腰椎椎間板ヘルニアの原因として,遺伝的素因(椎間板ヘルニアになりやすい遺伝子が色々と見つかっています),肉体労働などによる腰部への過剰な負荷,生活習慣(タバコが一番悪い)など,さまざまな要因が挙げられており,総合して発症すると考えられています。好発年齢は基本的には20~40歳ですが、小中学生などの若年性ヘルニア、60~75歳という高齢者の椎間板ヘルニアもあります。診断は殆どの場合医師の診察とMRIでわかります。
治療法は保存治療が第一です。最近の研究で8-9割の患者さんでは椎間板ヘルニアになっても、自らの免疫力でその椎間板ヘルニアが2-3ヶ月以内に消滅することが分かっています。たとえば風邪をひいたときの防御反応として,マクロファージが風邪のウイルスを貪食するように,マクロファージが椎間板ヘルニアも食します。その間は一般の消炎鎮痛剤の内服、湿布、ブロック療法、運動療法にて対処するのが望ましいでしょう。消炎鎮痛剤は二種類ありロキソプロフェンなどの短時間作用型は,急性期激しい疼痛に対して即効性があると思われ、一方で選択的COX-2阻害薬メロキシカムは,胃腸障害をはじめとした副作用が少ないというメリットがあり長期間継続投与が可能でしょう。

よく、冷たい湿布、暖かい湿布どちらがいいでしょうかと聴かれますが、外傷などでは冷たい湿布がいいでしょう。しかし、腰痛疾患に対しては、どちらでもいいと思います。基本的な成分は変わりがなく、暖かい湿布には少量のトウガラシの成分が含まれています。皮膚から吸収されて患部に届くまでには同じ消炎鎮痛の成分が移行するので、ご本人の好みでどちらでもいいでしょう。

以上のように、椎間板ヘルニアの手術を受けられる方は、それよりも早く社会復帰を希望される方、3ヶ月以上経過しても椎間板ヘルニアが消滅しないで痛みが残っている方に限定されているのが現状です。ただし手術療法を選択しても、椎間板の出っ張り(ヘルニア)を取る手術なので椎間板本体は残存します。そのために椎間板ヘルニアの再発は5-8%の患者さんに発症すると考えられています。

手術方法は通常の手術法、内視鏡手術などです。内視鏡は創が小さいメリットがありますが、視野が狭いための合併症が若干多くなります。しかしながら両者の手術成績は全く変わりませんので、よく担当医師と相談して決めるのがいいでしょう。また、最近レーザー治療がありますが保険は利用できず、有効性は60%と考えられております。十分に担当医師と相談されることが望ましいでしょう。

腰部脊柱管狭窄症

 この病気は、TVアナウンサーのみのもんた氏,ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(当院で手術)が手術を受けられたことから非常に有名になりました。歴史的にはこの病気が始めて報告されてのが1950年ですから、最近非常に多くなった病気と考えられております。腰部脊柱管狭窄症は,神経が入っている脊柱管がさまざまな原因で狭くなり,その中に包まれている馬尾,神経根が慢性的に絞扼され,神経症状が生じた状態です。後方で骨と骨をつないでいる黄色靭帯が加齢とともに厚くなり,前方から椎間板が少しずつ盛り上がることによって脊柱管が狭くなることが多いです。通常,腰や下肢などの安静時痛は少なく,特徴的な症状は間欠跛行であり,歩き始めは無症状であるが,数百mほど歩行すると下肢の疼痛,しびれにより歩行不可能となり,休憩が必要となります。腰を前に曲げると症状がよくなるのを特徴としています。ですから、ショッピングカーと共に歩くとか、自転車などは乗れることが多いです。
 腰部脊柱管狭窄症は遺伝的素因、加齢によるものがほとんどで,55~80歳代という高齢者に多くみられます。高齢社会を迎えて,寿命が延びたことによって脊柱管狭窄症も増えてきており,大学病院の整形外科における腰椎の手術症例90%以上は脊柱管狭窄症です。診断は前述どおり、殆どの場合医師の診察とMRIでわかります。

 椎間板ヘルニアと同じですが、前述の基本的な保存療法に加え,圧迫されている神経への血管拡張と血流量の増大を期待して,プロスタグランジンE1製剤を用います。椎間板ヘルニアより症状が遷延するため、よく患者さんから将来治りますかと質問を受けます。大規模な研究が無いのでなかなかお答えしにくいのですが、様々な研究から、保存療法のみで対処した場合、3分の1の方は完治し、3分の1の方は不変、残りの3分の1の方は悪化するといわれております。いずれにせよ、保存療法が第一選択です。

 手術ですが、内視鏡を用いた手術と、従来の手術法があります。椎間板ヘルニアに比較して、内視鏡手術は難しく、適応も限られてくるので現段階では従来法が主流であります。担当の医師と相談されることをお勧めいたします。手術で85-90%の症状は取れますが、足首以下や足裏の痺れなどは取れないことが多いといわれています。

骨粗鬆症と圧迫骨折

骨粗鬆症は女性に多くみられ、女性が閉経を迎えることによってホルモンバランスが崩れ、いわゆる骨を壊す破骨細胞の機能が活性化され、骨を作る骨芽細胞と破骨細胞がアンバランスになることで、徐々に骨量が減少していく疾患です。若い人の骨の量の70%以下になった場合に骨粗鬆症といいます。レントゲンを見慣れた医師の場合どの部位のレントゲンからも骨粗鬆症の有無は大体分かります。正確に調べる場合は、様々な検査法があるが、一番簡単な方法は手のレントゲンを撮る方法です(MD法)。これよりの正確な方法は腰椎や大腿骨の骨を調べるDEXA法でが、全ての病院にあるわけではありません。最近では採血や、尿検査で、骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞の値も簡単に知ることが出来ますので、投薬の目安となります。  基本的には50歳以上の女性に多いですが、若い人でもたとえば膠原病などでステロイドを使っていると骨粗鬆症になりやすいです。もちろん加齢により骨量が減少するため、男性にもみられる疾患です。骨粗鬆症による腰痛は、ほとんどの場合が圧迫骨折に基づくものです。レントゲン所見で骨粗鬆症が認められ腰痛を訴える患者さんは多数みられますが、圧迫骨折がみられない骨粗鬆症で腰痛が生じるかどうかは明らかにされておりません。  骨粗鬆症治療薬としてエストロゲン、ビスフォスフォネート、活性型ビタミンKなどが挙げられます。ビタミンKは納豆に含有されていますが、納豆の消費が少ない西日本では骨折の発生頻度が高いことが報告されています。最近では骨量増強効果を期待してビスフォスフォネートを使うことが多いです。これは骨を壊す破骨細胞を抑制します。但し、内服によって骨量が若い人と同じくらいになることは無く、年間で数%の増大です。骨粗鬆症に基づく圧迫骨折による疼痛に対しては、軟性コルセットの装着とともに、 消炎鎮痛剤やカルシトニン製剤を投与します。もちろん予防としてバランスのよい食事、適度な運動は重要な治療で、多量の飲酒、コーヒーの多飲、喫煙がよくないことは言うまでもありません。

ぎっくり腰

いわゆる、魔女の一撃といわれるのがぎっくり腰です。非常に強い腰痛を訴えます。皆様も一度は経験あるのではないでしょうか。これほど古典的で日常的な病気にもかかわらず病態が分かっていない不可解な病気です。一般にはバームクーヘン状の椎間板にほんの少しだけ亀裂が入った状態と考えられています。椎間板の表層にも細かい神経が網の目のようにあり、亀裂が生じた部分から腰痛の生じていると最近考えられています。何もしないでも一週間で修復され、治癒するので、患部に湿布を貼り、消炎鎮痛剤の内服、腰椎サポーターで十分でしょう。

脊椎の周囲から来る腰痛(筋肉・内臓など)

年齢と共に腹筋や背筋の筋力が落ち、体の姿勢が悪くなってきます。腰痛の原因となります。MRIなどを撮影すると、筋力の低下は確認することが出来ますが、一般にそこまで検査をすることはまれです。また、内臓疾患、特に女性は子宮、卵巣の病気が腰痛、下肢痛を起すことがあり、腰に問題が無い場合も遷延する場合はよく主治医と相談することが重要です。

脊椎側弯症

平成18年4月より「側弯症外来」を再開しました。

平成28年12月より外来日および担当医師を追加いたしました。

 

外来日:           月曜日(午後)

            第1月曜日:新患も可(検診・紹介)

            第2月曜日:新患も可(検診・紹介)

            第3月曜日:新患も可(検診・紹介)

            第4月曜日:新患も可(検診・紹介)

            第5月曜日:新患も可(検診・紹介)

 

担当ドクター: 第1・3・5月曜日(午後)井上,稲毛

            第2・4月曜日(午後)大鳥,小谷,稲毛

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脊椎側弯症

脊椎(せぼね)が柱状につながった状態を脊柱と呼んでいます。正常な脊柱を横から見ると生理的に弯曲をしていますが、前(あるいは後ろ)から見ると、ほぼまっすぐです。これに対して側弯症では、脊柱が横に曲がり、多くの場合はねじれを伴っています。側弯症のうち、大部分は学童期の後半から思春期に発生します。側弯症は、ひとたび脊柱がひどく曲がってしますと、元には戻りません。したがって、弯曲が進行する前に診断して、早いうちに治療を開始することが大切になります。

特発性側弯症

脊柱側弯症のうち約80%を占めます。その原因についてはいろいろ調べられてきましたが、いまだに十分には解明されていません。発見された年齢により、乳幼児期側弯症、学童期側弯症、思春期側弯症に分けられます。一番頻度の高い思春期側弯症は、10歳以降に発症し、女子に多く、背が伸びる思春期に進行することが多いのが特徴です。

先天性側弯症

脊椎などに生まれつきの形の異常があるために、成長に左右差が出ることから側弯症に進展します。脊柱の中を通っている脊髄にも生まれつきの異常があったり、心臓や泌尿器系にも生まれつきの異常がある場合も少なくありません。

その他

神経原性側弯症(脊髄空洞症や脳性麻痺など)、筋原性側弯症(筋ジストロフィーなど)、多発性神経鞘腫症による側弯症、間葉系疾患による側弯症(マルファン症候群など)など、さまざまな原因により側弯症は起こります。

スタッフ

  • 大鳥 精司教授(科長)
  • Seiji Ohtori, MD, Ph.D, Professor, Chair
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経歴
    • 1994年 千葉大学医学部卒業、同大学整形外科入局
    • 2003年 米国UCSD留学
    • 2003年 千葉大学大学院 整形外科 助教
    • 2012年 千葉大学大学院 整形外科 講師
    • 2015年 千葉大学大学院 整形外科 准教授
    • 2016年 千葉大学大学院 整形外科 教授
資格等
    • 日本脊椎脊髄病学会評議員
    • 日本整形外科学会専門医
    • 日整会認定脊椎脊髄病医
    • 日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
    • AO spine research committee member
    • 日本運動器疼痛学会理事
受賞歴
    • 受賞歴テキスト
    • 受賞歴テキスト
現在の研究
  • 椎間板性腰痛をメインテーマに、基礎研究をもとにした臨床試験への応用(トランスレーショナルリサーチ)として、抗サイトカイン療法による慢性腰痛治療に関する研究を行っている。また、前方法による低侵襲腰椎手術(OLIF)を中心とした脊椎手術において先駆的役割を担う
業績一覧
  • 古矢 丈雄助教
  • Takeo Furuya, MD, Ph.D, Assistant professor
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経歴
    • 学歴

      2001年  新潟大学医学部卒業

      2009年  千葉大学大学院修了(博士(医学))

    •  

      職歴

      2001年 千葉大学整形外科入局、以後関連病院にて研修

      2011年 千葉大学大学院 整形外科 医員

      2012年 千葉大学大学院 整形外科 特任助教

      2013年 千葉大学大学院 整形外科 助教

    •  

      職歴 (兼任)

      2012年‐2017年 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 生医療等製品審査部・医療機器審査第一部 任職員(革新的医薬品医療機器再生医療等製品実用化促進事業)

      2017年 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 医療機器審査第一部 定期専門委員

資格等
    • 日本整形外科学会専門医

      日本整形外科学会脊椎脊髄病医

      日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医

      日本脊椎脊髄病学会評議員

      日本脊髄障害医学会評議員

      Cervical Spine Research Society (Corresponding Member)

      European Spine Journal (Reviewer, Assistant Editorial Board)

      Spinal Cord Series and Cases (Reviewer)

      Journal of Pain Research (Reviewer)

      Vascular Health and Risk Management (Reviewer)

      Spine Surgery and Related Research (Reviewer)

      Journal of Orthopaedic Science (Editorial Board Member)

受賞歴
    • 2007年 千葉医学会整形外科例会・千整会Award基礎部門
    • 2008年 千葉医学会整形外科例会・千整会Award基礎部門
    • 2014年 千葉医学会整形外科例会・千整会Award臨床部門
    • 2014年 日本脊椎インストゥルメンテーション学会ベストペーパー賞
現在の研究
  • ・ 脊髄損傷に関する基礎医学的研究及び医師主導治験
    ・ 圧迫性脊髄症に関する基礎医学的研究
    ・ 頚椎後縦靭帯骨化症の疫学調査(厚生労働省班研究)及び手術治療
    ・ 脊髄腫瘍の手術治療
    ・ 脊椎脊髄病疾患全般の手術治療
    ・ 転移性骨腫瘍専門外来の立ち上げ、院内骨キャンサーボードの運営
業績一覧
折田 純久助教
  • 折田 純久助教
  • Sumihisa Orita, MD, Ph.D, Assistant professor
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経歴
    • 1998年 東京大学工学部卒業(医用精密工学)
    • 2000年 東京大学大学院工学系研究科修了(医用精密工学修士)
    • 2004年 千葉大学医学部卒業(学士入学)
    • 2006年 初期臨床研修修了(総合病院国保旭中央病院)、千葉大学整形外科入局
    • 2011~2012年 米国UCSD留学
    • 2012年 千葉大学大学院 整形外科 医員
    • 2013年 千葉大学大学院整形外科 助教
    • 2015年 千葉大学フロンティア医工学センター 助教(兼任)
資格等
    • 日本整形外科学会専門医
    • 日本運動器疼痛学会評議員
    • 日本脊椎脊髄病学会評議員
    • 日整会認定脊椎脊髄病医
    • 日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
    • 日本整形外科学会認定リウマチ医
    • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
    • 日本骨粗鬆症学会認定医
    • 国際腰椎学会active member
    • 日本脊椎脊髄病学会英文誌(SSRR: Spinal Surgery and Related Research)編集委員長
    • 日本整形外科学会腰痛診療ガイドライン改定委員
受賞歴
    • 受賞歴テキスト
    • 受賞歴テキスト
現在の研究
  • 低侵襲腰椎手術(特に前方固定法,Oblique lateral interbody fusion(OLIF) / eXtreme lateral interbody fusion(XLIF)),骨粗鬆性疼痛、関節痛、神経障害性疼痛、椎間板性疼痛、ロボティクスサージェリー(Computer aided surgery)、をメインテーマに研究を行っている。
業績一覧
  • 稲毛 一秀助教
  • Kazuhide Inage, MD, Ph.D, Assistant professor
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経歴

    2007年 初期臨床研修修了、千葉大学整形外科入局(三重大医学部卒)

    2007~2012年 大学附属病院および関連病院にて脊椎疾患の研究

    2012年 千葉大学大学院 大学院生

    2014年 千葉大学医学部附属病院総合医療教育研修センター 特任助教

    2015年 千葉大学大学院 修了

    2015年 文部科学省 高等教育局 医学教育課 技術参与

    2016年 千葉大学大学院整形外科 助教

資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医

    日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医

    日本運動器疼痛学会評議員

    日本骨粗鬆症学会認定医

    ロコモアドバイスドクター

    国際腰椎学会active member

現在の研究
  • 骨粗鬆症、サルコペニア、筋挫傷、LP-iDOPEを用いた光線力学療法、椎間板性疼痛および医学教育をメインテーマに研究を行っている。
業績一覧
  • 金元 洋人博士研究員(腰椎)
  • Hirohito Kanamoto MD, Ph.D
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経歴

    2010年 初期臨床研修修了、千葉大学整形外科入局(東京医科大学医学部卒)

    2010~2015年 大学附属病院および関連病院にて脊椎疾患の研究

    2015年 千葉大学大学院 大学院生

     

     

資格等

    日本整形外科学会専門医

現在の研究
  • MRIを用いた腰痛可視化・定量化に関する研究に従事している
  • 飯島 靖(大学院生・頸椎脊髄)
  • Yasushi Ijima
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経歴

    2008年 山梨大学医学部卒業

    2010年 初期臨床研修終了(鉄焦会亀田総合病院)、千葉大学整形外科入局

資格等

    日本整形外科学会専門医

現在の研究
  • ラット慢性圧迫性脊髄症モデルの作成
  • 齊藤 淳哉(大学院生・頸椎脊髄)
  • Junya Saito
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経歴

    2008年 千葉大学医学部卒業

    2010年 初期研修終了(君津中央病院)、千葉大学整形外科入局

    2014年 千葉大学大学院入学

資格等

    日本整形外科学会専門医

  • 阿部 幸喜(大学院生・腰椎)
  • Koki Abe, MD
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経歴

    1997年 浜松医科大学卒業

    1999~2005年 聖隷三方原病院救命救急センター

    2005年 日本医大千葉北総病院救命救急センター助手

    2006年 千葉徳洲会病院整形外科

    2007~2008年 船橋中央病院整形外科医長

    2009~2014年 同部長

    2015年〜 千葉大学大学院 大学院生

資格等

    日本救急医学会専門医

    日本整形外科学会専門医

    日本リウマチ学会専門医

現在の研究
  • 腰痛に起因する疼痛関連物質とサイトカインの研究
  • 井上 雅寛(大学院生・腰椎)
  • Masahiro Inoue, MD.
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経歴

    2011年 初期臨床研修修了、千葉大学整形外科入局(千葉大学医学部卒)

    2011~2016年 大学附属病院および関連病院にて脊椎疾患の研究

    2015年 千葉大学大学院 大学院生

資格等

    日本整形外科学会専門医

  • 北村 充広(大学院生・頸椎脊髄)
  • Mitsuhiro Kitamura
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経歴

    2009年 高知大学医学部医学科卒業

    2011年 初期臨床研修終了(千葉労災病院、千葉大学医学部附属病院)、千葉大学整形外科入局 

    2015年 千葉大学大学院入学

資格等

    日本整形外科学会専門医

  • 木下 英幸(大学院生・腰椎)
  • Hideyuki Kinoshita, MS., MD.
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経歴

    2006年 広島大学医学部総合薬学科卒業

    2008年 東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了(生命薬学専攻)

    2012年 千葉大学医学部卒業(学士入学)

    2014年 初期臨床研修終了、千葉大学整形外科入局

    2015-2016年 大学付属病院および関連病院にて脊椎疾患の研究

    2016年 千葉大学大学院 大学院生

資格等

    日本整形外科学会会員

    薬剤師免許

    薬学修士

  • 乗本 将輝(大学院生・腰椎)
  • Masaki Norimoto, MD
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経歴

    2010年 千葉大学医学部卒業

    2012年 初期臨床研修修了 千葉大学整形外科入局

    2012-2017年 千葉大学医学部附属病院および関連病院にて脊椎疾患の研究

    2017年 千葉大学大学院 大学院生

資格等

    日本整形外科学科学会専門医

業績一覧
  • https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25346806 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18824950 http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900117606/90-2-75.pdf

  • 宮本 卓弥(大学院生・頸椎脊髄)
  • Takuya Miyamoto, MD.
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経歴

    2010年 千葉大学医学部医学科卒業

    2012年 初期臨床研修終了(日本赤十字社 武蔵野赤十字病院)、千葉大学整形外科入局 

    2016年 千葉大学大学院入学

  • 海村 朋孝(大学院生・腰椎)
  • Tomotaka Umimura, MD.
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経歴

    2013年 千葉大学医学部卒業

    2015年 初期臨床研修修了 千葉大学整形外科入局

    2015-2017年 千葉大学医学部附属病院および関連病院にて脊椎疾患の研究

    2017年 千葉大学大学院 大学院生

資格等

    日本整形外科学会会員

受賞歴

    2011年度 学術研究活動等に係る学長表彰

業績一覧