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グループ・診療

スポーツ・下肢(膝関節、足部・足関節)

更新日 2023.4.24

グループ紹介

スポーツ・膝関節・足グループは佐粧孝久千葉大学予防医学センター教授、山口智志千葉大学国際教養学部准教授、堀井真人千葉大学整形外科特任助教を中心に10名の医師で診療にあたっております。千葉県内の施設はもとより関東一円から多数の紹介患者様を受け入れ、こどもからプロスポーツ選手まで老若男女問わず数多くの専門的な治療実績があります。

 

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対象疾患

スポーツ・膝外来

スポーツ・膝外来 スポーツ外傷や事故に伴う靭帯損傷、軟骨損傷といった膝のケガから、軟骨がすり減ってしまう変形性膝関節症や骨壊死、膝関節周辺の腫瘍まで幅広く膝関節に生じる疾患の診断、治療を行っています。患者様の膝の状態を詳しく調べ、個々の生活スタイルやご希望を踏まえて、靭帯再建術や軟骨修復術、自家培養軟骨移植といった最先端治療、また骨切り術や人工膝関節置換術まであらゆる方法を検討した上で最適な治療法をご相談し選択しています。外来診察時間は毎週水曜日および金曜日の午後1時から4時となっております。初めて受診される患者様は予約制ではありませんので紹介状を持参の上、12時半頃までにご来院下さい。水曜日、金曜日とも新患での受診は可能ですがお急ぎでなければ金曜日に受診していただくことをお薦めしています。

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膝前十字靭帯損傷(ACL損傷)

膝前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament: ACL)損傷はスポーツによる膝のケガの中でも頻度が高く、一般人口では年間10000人に約4例が受傷すると報告されています。ジャンプの着地や急な方向転換など、人と接触しない減速動作中に膝をひねって損傷することが多くみられます。前十字靭帯は膝関節の中で太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間を連結し、脛骨が前方にずれるのを防いで安定化する機能があります。損傷するとこの機能が失われ、膝関節が不安定となります。この不安定性を放置したままスポーツなど負担の大きい活動を行うと、すねの骨が前にずれて膝くずれを生じる原因となり、思い切ってスポーツ活動ができなくなってしまうことがあります。また膝くずれを繰り返すことにより、膝関節の中でクッションの役割を果たす軟骨や半月板の二次損傷をひきおこす危険性が高まり、長期的に膝の軟骨がすり減って失われ、骨まで変形してしまう(変形性膝関節症)こともあります。(図1)

【前十字靭帯損傷の治療方針】  前十字靭帯は切れてしまうと自然に治癒することはまずありません。活動性のあまり高くない、特に中高年以上の方では膝の筋力を強化するリハビリテーションを行うことで日常生活に支障なく戻ることができる場合もありますが、スポーツや活動性の高い業務への復帰を目指す方、また日常生活でも膝くずれを繰り返す方では機能障害の改善のために靭帯を作り替える手術的治療(靭帯再建術)をお薦めしています。手術により70-80%の症例が受傷前のスポーツレベルまで復帰できるとされています。

【前十字靭帯再建術】  再建術とは、損傷した靭帯の機能を再現するために太ももの骨とすねの骨を代わりのもので連結する手術です。当院では、関節鏡を用いて最小限の傷で、靭帯の代わりの材料としてご自分の太ももの裏の筋肉(ハムストリング)の腱を移植腱として用いる再建術を行っております。ハムストリング腱を用いた膝前十字靭帯再建術は、腱を採取することによる術後の悪影響があまりなく、国内外で多く行われている術式です。二度目の断裂などのケースでは膝のお皿(膝蓋骨)の下の腱(膝蓋腱)を用いることもあります。(図2)  前十字靭帯は一本の靭帯ですが、内部では膝を安定化する機能が若干異なる二本の線維の束で構成されています。この二本の線維束の機能をできるだけ再現し回復させるために、当院では二束再建術を行っています。太ももの骨、すねの骨ともに二つずつ孔(骨トンネル)を開け、二本の移植腱をそれぞれ別の骨トンネル内に通す方法です。これにより、前述の二本の線維束を再建しています。二束再建は前十字靭帯を一本の再建靭帯で作りなおす一束再建と比べ膝の捻りに対する安定性が増すことが期待できます。  また当院の手術の特長として、骨トンネルに通過させた移植腱を体に固定する方法として、長さが調整できる紐(人工靭帯)を用いています。この新しい紐を用いることで、再建靭帯をより強固に骨トンネルに固定することができます。これによって、再建靭帯が自分の体の中でより早く安定化することが期待できます。さらに、人工靭帯の端は薄い金属製のボタンに固定されているため、手術後に体の中の固定材料が出っ張って気になることがまずありません。

【手術後のリハビリテーション】  手術の後は関節の可動域や筋力を回復させ、もとの生活やスポーツに復帰するためにリハビリテーションが必要になります。 入院期間は約10日です。入院中に、手術の翌日から膝の可動域訓練や筋力訓練、松葉杖での歩行訓練を開始します。前十字靭帯の再建と同時に半月板の縫合を行ったかどうかでリハビリの経過は若干異なりますが、術後3〜4週間は松葉杖歩行となります。退院後は通常はご近所あるいは連携しているクリニックや病院などで通院リハビリテーションを行っていただきます。手術後最初の3〜4ヶ月は膝の曲げ伸ばしを行う可動域訓練と筋力訓練が中心になります。もともとの活動性や競技レベル、可動域や筋力の回復の速度などでかなり個人差がありますが、だいたいの目安としては術後約3〜4ヶ月でジョギングが開始でき、ランニングやステップ動作を段階的に確認して術後約6〜8ヶ月からスポーツに関連した動作を開始、スポーツに完全に復帰するまでは8〜12ヶ月程度かかります。  リハビリを行っている間、および完全に競技復帰できた後も定期的に当科の外来を受診していただき、手術後の膝関節の状態を評価しサポートさせていただきます。

半月板損傷

半月板は膝関節の中で大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある組織で、骨や骨の表面を覆う軟骨にかかるストレスを減らす「クッション」の役割をしています。また、膝の骨同士の動きを安定させる働きもあります。  スポーツなどで膝を捻ったりして半月板に強い外力がかかると損傷します。前十字靭帯損傷など膝の他の外傷と合併することもあります。また、年齢とともに半月板の弾力性は失われ(これを変性といいます)、一回の大きな外力でなくても少しずつ擦り切れるように損傷することもあります。半月板が損傷すると膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりします。ひどい場合には、膝に水(関節液)がたまったり、膝が動かなくなる“ロッキング”という状態になり、歩けなくなるほど痛くなることもあります。

【半月板損傷の診断】  問診(どうやって受傷したか)、徒手検査、MRIなどを組み合わせて診断します。

【半月板損傷の治療方針】  治療には保存治療(ヒアルロン酸注射、リハビリテーションなど)と手術治療があります。痛みやひっかかり感といった症状が軽い場合は保存治療が有効であると考えられます。保存治療で症状が改善しない場合、痛みやひっかかり感が強い場合などは手術を考慮します。  手術は関節鏡を用いて行います。膝蓋骨(膝のお皿)の下に1cm程度の切開を2ヶ所作って、関節鏡を挿入して膝関節内を観察しながら行います。以前は損傷した半月板は切除するのが一般的でしたが、切除することにより関節内の軟骨にかかる負担が増大し、徐々に軟骨の傷みが進んでしまうことがわかってきています。そのため、最近では可能な限り半月板は温存することが望ましいとされており、当院でもなるべく半月板の損傷した部分を縫合し修復することを目指して手術を行っています。

【手術後のリハビリテーション】  半月板を切除した場合も縫合した場合も手術の翌日には退院可能です。  半月板切除術を行った場合は特に荷重や曲げ伸ばしの制限はなく、痛みの程度に応じて徐々に歩行訓練や膝の曲げ伸ばしの訓練を行っていきます。縫合術を行った場合、術後1ヶ月程度は膝の動きを制限しますが、膝を伸ばした状態で体重をかけることは可能です。その後、膝の曲げ伸ばしを徐々に行っていきます。年齢や競技レベルによりますが、スポーツへの復帰は切除術では術後約3ヶ月程度、縫合術では術後約6ヵ月程度を目安にしています。

変形性膝関節症

関節軟骨が変性し弾力性を失い、徐々にすり減って膝の痛みや機能障害(曲げ伸ばしがしづらいなど)を生じる疾患です。最終的には軟骨だけでなく骨の変形を生じてしまいます。加齢や膝のケガなどが大きな原因と考えられていますが、体重や体質(遺伝的素因)も関与しているとされます。男性より女性に多くみられます。主な症状は膝の痛みと水がたまり腫れること、変形です。初期ではレントゲン上はあまり変化がありませんが、立ち上がりや歩きはじめ、運動した際などに痛むようになります。その他の症状としては正座や階段の昇降が痛みのために困難となる、膝が動かしづらいといった症状が出る場合があります。現時点では一度変性した関節軟骨は元の状態に戻すことはできず、軟骨のすり減りは徐々に進行してしまうことがほとんどです。

【変形性膝関節症の診断】 どういった時に痛みを感じるか、どこに痛みを感じるかといった症状に加え、レントゲン検査が基本になります。レントゲンでは変化がなくてもMRI検査などで軟骨の変性やすり減りがわかる場合もあります。

【変形性膝関節症の治療方針】 目標は、第一に膝の痛みを軽減し膝関節の機能を改善することで、日常生活での支障をなくすこと、なるべく進行を遅らせることです。まずは体重コントロールや下肢の筋力が衰えないようにリハビリテーションで筋力や可動域、歩行能力を維持することが大切です。疼痛に対しては薬物治療や装具などが用いられ、こうした治療で痛みが緩和されずに生活に支障をきたす場合には手術治療を行います。(図3)

【薬物治療】 鎮痛薬(飲み薬、シップなど)の処方に加え、場合によりヒアルロン酸やステロイドなどの関節内注射を行うことがあります。

【リハビリテーション】 下肢の筋力訓練・膝関節可動域訓練(膝関節を軟らかくする訓練)を行います。補助的に温熱・電気・超音波で膝を温める物理療法を用いたり、膝サポーターや足底装具を装着して膝の負担を軽減させる場合があります。

【手術治療】 以上の保存的治療を行っても症状の改善が得られない場合には、全身状態や患者様の希望を考慮し、手術治療を検討します。当科では、状態に応じて主に以下の手術を行っております。 ・高位脛骨骨切り術(HTO) 軟骨のすり減りが膝の内側だけに限られ、O脚に変形している患者様に行います。内反(O脚)変形を矯正して、体重のかかる部位を外側にずらすことで内側にかかる負担を軽減し、痛みを改善させます。10年以上経つと痛みが再発して、再手術(人工膝関節置換術)が必要となる可能性があります。自分の関節を温存できるため、可動域が保たれ、違和感が少ないという長所がありますが、人工膝関節置換術と比べて術後のリハビリに時間がかかります。(図4) ・人工膝関節置換術(TKA/UKA) 軟骨がすり減って変形してしまった関節部分を切除し、金属とポリエチレンでできた人工関節に置き換える手術です。変形の程度によって内側だけで済む(UKA)場合もありますが、全体的に変形が強い場合や膝の可動域(曲げ伸ばし)制限が強い場合には内側も外側も置換(TKA)します。高い除痛効果と膝関節機能の改善が得られ、耐久期間も長いといった長所があります。(図5)

軟骨損傷

膝関節内で骨の表面は滑らかで弾力性のある関節軟骨という組織に覆われています。関節軟骨があるおかげで、膝を滑らかに曲げ伸ばしができ、また運動に伴う衝撃をやわらげることができます。外傷や加齢による変性、成長期に特有な骨軟骨障害(離断性骨軟骨炎など)により軟骨損傷が起こります。  症状は様々ですが、歩行や運動時の痛み、関節の腫脹のほか、損傷した軟骨が剥がれて関節内に挟まったりした場合には、急激な痛みと運動障害が出現します。

【軟骨損傷の診断】  問診(はっきりした受傷があったかどうかなど)、徒手検査、単純X線やCT、MRIによる画像検査を組み合わせて診断いたします。当院では特殊な精度の高いMRI撮影法を用いて、より正確な診断および損傷範囲の評価を行っています。

【軟骨損傷の治療方針】  加齢や軟骨変性に伴う軟骨損傷では注射やリハビリテーション(筋力訓練)といった保存的治療が中心となります。外傷や離断性骨軟骨炎などによる軟骨損傷でも、まずは安静と筋力訓練などによる保存加療が行われます。しかし関節内の軟骨片が動きまわったり(関節ねずみ)、挟まったりしている場合は、関節鏡を用いて手術的に取り除きます。その他の場合でも、軟骨は非常に修復されにくい組織ですので、損傷範囲が小さければ手術的に軟骨の修復を促進する治療(骨髄刺激法、マイクロフラクチャー法)や、中等度の大きさでは他の部位の正常軟骨を損傷した部分にもってくる治療(骨軟骨柱移植術、モザイクプラスティー法)を行っています。損傷範囲が大きい場合、特に年齢の若い運動選手などには、自分の軟骨を培養して損傷部位に移植する、自家培養軟骨細胞移植術(http://www.jpte.co.jp/business/regenerative/cultured_cartilage.html)などの先端医療も行っております。  自家培養軟骨細胞移植術では、2回手術が必要になります。まず、1回目の手術で損傷部位を関節鏡で確認して大きさを計測、さらに培養に用いる軟骨細胞を採取します(自家培養軟骨細胞採取)。採取した軟骨を4週間培養して増やした後、2回目の手術において軟骨欠損部に移植いたします。(図6)

【手術後のリハビリテーション】  手術後のリハビリテーション経過は軟骨損傷の部位や大きさによって異なります。  大腿骨(太ももの骨)の荷重部に生じた大きな軟骨損傷に対して自家培養軟骨移植術を行った場合、術後は膝装具で固定し、およそ1週後より膝の曲げ伸ばしの訓練を開始します。およそ術後4週目より部分的に体重をかけた歩行訓練を行います。術後6週目には全体重をかけた歩行訓練を行います。入院期間は2週間前後であり退院後は外来でフォローします。およそ術後1年程度でスポーツ復帰を許可します。

足の外来

足の外来は足部、足関節の疾患を対象に毎週火曜日に診療を行っています。山口智志(国際教養学部准教授)を中心に数名の医師で診療に当たっていますが、第2、4火曜日には関連病院の医師も参加しております。  足は立位、歩行でヒトと地球をつなぐ唯一の運動器であり非常に重要ですが、足の疾患はとかく軽視されがちです。しかし、日本人の生活様式の変化に伴って足の疾患は増加しています。対象となる疾患は非常に多彩で、変形性関節症などの変性疾患や外反母趾、扁平足、外傷、麻痺性疾患などによる足部変形や機能障害、足関節靭帯損傷や腓骨筋腱脱臼、疲労骨折などのスポーツ障害、関節リウマチなどの炎症性疾患などの治療を行っています。  足部、足関節疾患の治療では、手術療法と靴やインソールを含めた装具による保存療法が等しく重要です。年齢や性別に加え、活動度や生活習慣、スポーツ、職業などを考慮して、患者さまの生活の質を向上させるために最も適切な治療法を選択することが重要です。患者様とよく話し合い、丁寧な診療を心がけております。  手術は関節固定術や人工足関節置換術、外反母趾矯正術、スポーツ障害に対する手術治療まで様々な手術を行っております。また、症例によっては関節鏡を用いた低侵襲な手術を積極的に行っています。保存療法では、外来と並行して足の装具の外来も行っており、装具の作成や調整がすぐに行える体制となっております。

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足部、足関節の仕組みと働き

 足部、足関節は脛骨、腓骨というすねの骨に加え、約26個の足部の骨、さらにいくつかの種子骨や副骨という骨でできています(図1)。これらの骨を多くの筋、腱や靭帯が支えており、全体として足のアーチを形成しています。足のアーチは他の動物にはなく、二足直立歩行をするヒト特有の構造です。内側、外側の2つの縦アーチに加えて横アーチがあり(図2)、歩行時にバネとして働き、衝撃を吸収し、体重移動を円滑にする働きがあります。  アーチを形成する骨や筋腱、靭帯などの異常によりアーチ構造が破綻すると、扁平足をはじめとする足部疾患を生じます。症状は疲れやすい、歩きにくいといったものから足の痛みまで様々です。足の裏にできるタコの多くは、このようなアーチの破綻により荷重が一部に集中するために生じます。

装具療法と手術療法

整形外科の病気の治療は、大きく分けて手術療法とそれ以外の保存療法に分けられますが、足部、足関節の病気の治療においては、どちらも等しく重要です。  保存療法には様々なものがありますが、その中でも靴や靴の中敷き(インソール)は最も重要です。足のアーチの保持や変形の矯正、荷重を分散させる、などの効果があります。インソールは専門の技師装具士が足型をとって作成します。足の3つのアーチを支えるアーチサポートが基本的な形ですが(図3)、疾患や用途などによって素材や硬さ、形状を調整します。靴は、市販のものを多くの種類、足幅で揃えています。ほとんどの場合はこれらで対応が可能ですが、足の変形が強く市販の靴が履けない場合には、足型をとってオーダーメイドの靴(靴型装具)を作ることもあります(図4)。足関節の変形などに対する短下肢装具などの装具も必要に応じ作成しています。靴や装具は繰り返しの調整が必要なことも多く、その都度、迅速に修正できる体制となっています。  手術療法は、変形性関節症に対する関節固定術や人工関節置換術、外反母趾などの足部変形に対する矯正骨切り術、足関節の靭帯再建など様々な手術を行っています。外傷など早期の治療が必要な症例に対しても、対応させていただきます。  疾患によっては、関節鏡を使ってより傷が小さく、術後の回復が早い方法で行います。近年、足部、足関節の関節鏡(内視鏡)は急速に進歩しています。当院でも、様々な部位の関節鏡を行い、診断、治療に役立てています(図5)。

足部、足関節の病気と治療

 足部、足関節は多くの骨と関節、筋肉より成っているため、非常に多くの種類の疾患があります。例えば、2つの骨と1つの関節より成る股関節(図6)と比べると違いがよくわかります。このため、病気の診断が難しいことがあります。また、体重全体を小さな骨と関節で支えているため、わずかな異常が頑固な痛みや日常生活上の不便につながることがあります。足の痛みが長期間続いているときは、整形外科や足の専門外来の受診を考慮してもよいかもしれません。

1)足の変形

 【外反母趾】

 母趾(足の親指)が外側に曲がってしまう疾患です。足部疾患の中で最も多いもののひとつであり、生活様式の西欧化に伴い、頻度が増えています。女性の患者様がほとんどで、ハイヒールや先の狭い靴が大きな原因のひとつとされています。 症状:母趾の外反に伴って母趾の付け根(MTP関節)が内側に出っ張り、靴に当たって炎症や痛みを生じます(図7)。また第2趾や3趾の付け根、足の裏側に痛みを伴うタコができることもあります。変形が進行すると母趾が隣の第2趾に重なったり、第2趾の脱臼を起こすことがあります。関節リウマチでも同様の変形をおこすことがあります。 診断:外見のみでほぼ診断は可能ですが、レントゲン撮影で正確な曲がりの角度を計測します(図8a)。 治療:保存療法と手術療法に分けられます。保存療法は、靴の指導や作成、インソールの作成などの治療を行います。痛みの改善には有効です。変形が軽度の場合は足趾の体操も進行の予防が期待できます。保存療法を行っても痛みが改善しない場合には、骨を切って変形を矯正する手術を行います(図8b)。変形の程度や合併病変などを考慮して、いくつかの術式を使い分けています。

 【屈趾症】

 様々な原因で足趾が曲がってしまい、伸びなくなる病気です(図9)。手術が必要なほどの強い屈趾は、すねや足の外傷の後に起こる場合や、神経の病気が原因のことが多いようです。また、外反母趾に合併したり、ハイヒールや趾先の狭い靴が原因でおこることもあります。 症状:歩行時に趾先が地面に当たって痛かったり、靴を履いたときに当たって痛かったり、といった症状がでます。足趾の付け根の裏に痛みが出ることもあります。長期間の負担により、これらの場所にタコ(胼胝)ができ、さらに痛みが強くなります(図10)。 診断:外観でおおむね診断が可能ですが、レントゲン写真で変形の程度を確認します。また、原因となる疾患をチェックするために、神経内科などの受診や様々な検査が必要なこともあります。 治療:変形が軽いものには、タコの部分に柔らかいクッションをあてたり、趾先が広い靴や靴の中敷きで負担を減らし、足趾に靴が当たらないようにします。また、拘縮予防のために足趾のストレッチを行います。これらの治療で改善しない場合や変形が強い場合には、手術が必要になります。関節の骨を一部切除したり、変形の原因となっている腱を切ったり伸ばしたりして、変形の矯正をします。

 【扁平足】

 足の内側アーチが低下し、土踏まずが消失したものを扁平足といい、それに伴う症状を呈する状態が扁平足障害です。実際には土踏まずの低下だけでなく、踵が外側に傾いたり、つま先が外側に向く変形を伴うことが多いです(図11)。小児期、思春期、成人期に分けられ、原因は様々ですが、小児では先天性(生まれつき)、思春期では外脛骨(後述)や足根骨癒合症といった疾患を伴うもの、成人では関節リウマチやアーチを支える腱の変性(後脛骨筋機能不全)などがあります。 症状:小児では変形があるものの、扁平足のみでは症状がない場合がほとんどです。思春期では、スポーツ等で活動性が上がるのにあわせて足に痛みがでる場合が多いようです。成人では足首の内側から足の裏にかけての痛みや腫れで発症します(後脛骨筋機能不全)。 診断:外観でおおむね可能です。レントゲン写真などで原因となる疾患のチェックや、変形の程度を確認します。 治療:まず保存療法を行い、それでも症状が改善しない場合に手術を行います。保存療法は、足アーチを維持する靭帯や腱への負担を軽減する目的でインソールや靴の作成、リハビリ等を行います。小児期では、特別な疾患がある場合を除いて手術を行うことは稀です。思春期では外脛骨(後述)や足根骨癒合症(後述)などが痛みの原因となっている場合には手術の適応となります。成人期では、保存療法を行っても痛みが改善しない場合には手術を行います。変形の程度などを考慮して、いくつかの術式を使い分けています(図12)。手術方法としては滑膜切除術、腱移行術、骨切り術などがあります。

 【その他の足部変形】

 足関節周囲の筋力や筋緊張のバランスが崩れることや、外傷後に不適切な姿勢で長期間足を固定してしまうことなどで生じます。原因は先天性疾患、脊髄疾患、腫瘍、外傷など神経や筋肉の障害を起こす様々なものがあり、それぞれ変形の程度や形態が異なります。足関節が下に反ったまま上に反らせることができなくなった状態(尖足)や、足が内側に変形している状態(内反足)などがあります。足趾の変形(屈趾症)を伴うこともあります。 症状:足の裏に均等に体重がかからないために歩きづらいこと、足の裏や靴の中で局所的に負荷のかかる部分にタコや潰瘍ができて痛いことが問題となります。変形が強い場合には足の裏が地面につかないこともあります。 診断:外見から変形そのものの診断は可能ですが、同時に原因となっている疾患の検索が必要です。また、レントゲン撮影で骨の形態や位置関係を確認します。 治療:発症年齢や変形のもととなる原因などによって治療方針が異なりますが、基本的にはまずリハビリテーションや装具治療により変形の発生や拘縮の予防を行います。保存療法が限界と考えられた場合、骨を切ったり腱の場所を動かすことにより変形を矯正する手術を行います(図13)。変形の形態や程度に応じて様々な術式を組み合わせて行いますが、手術によってもともとの筋力や機能を犠牲にせざるをえないことや、長期的に複数回の手術が必要になることがあります。

2)変形性関節症

 変形性関節症とは、関節の軟骨の変性とそれに伴う骨や軟部組織の炎症や破壊が起き、痛みや動きの制限を生じる病気です。膝などで多く起こりますが、足部、足関節にも起こります。足部には多くの関節があるため、いろいろな関節で変形性関節症を生じることがあります。

 【変形性足関節症】

変形性足関節症は、足首の変形性関節症です。膝関節や股関節に比べると頻度は低いとされています。繰り返す捻挫や足関節の骨折などのけがの後に生じることが多いですが、明らかな原因がない事もあります。 症状:初期症状は歩き始めの痛みや長時間歩いた後の痛みが多いですが、徐々に足関節の腫れが出現し、足関節の動きの制限も生じます。 診断:上記の症状や、単純レントゲンで診断が可能です。症状に応じてMRIやCTなどの検査を行います。外傷歴などの問診も重要です。 治療:保存療法では、インソールの作成やサポーター、靴型装具などを使用します。また、症状に応じて消炎鎮痛剤の外用や内服を行います。保存療法で痛みが改善しない場合は手術を行います。手術は、関節破壊や変形の程度、患者さんの状況に合わせて、脛骨の骨切り術や足関節を固定する手術、傷んだ関節を金属とポリエチレンなどにとりかえる人工関節置換術を行います(図14ⅰ、ⅱ)。原因となる足関節の不安定性などがあれば、その治療(靭帯再建術など)を行うこともあります。症例に応じて関節鏡を使って傷の小さい手術を行っています(図15)。

 【強剛母趾】

 母趾の付け根の関節(MTP関節)の変形性関節症を強剛母趾と呼びます。原因は外傷や靴の影響、肥満などが挙げられますが、分からないことが多いです。 症状:歩行時のMTP関節部の痛みです。徐々に母趾を上に反らすこと(背屈)が難しくなるため、踏み返しでの痛みが強くなります。また、関節の腫れや圧痛も伴います。 診断:上記の症状に加え、単純レントゲンで診断します(図16)。単純レントゲンにより、余分にできた骨(骨棘)の程度や軟骨の痛みの程度なども判断します。 治療:保存療法は、初期には痛み止めの外用や内服を行います。また、踏み返し時の痛みを軽減する目的で関節の動きを制動するようなインソールなどを使用します。手術は、変形の程度や患者さんの状況に合わせて、骨棘を切除したり、関節を固定する手術などを行います。

3)種子骨、副骨による障害

 種子骨は腱の中にある小さな骨で、足の裏の圧の吸収や、腱の動きを滑らかにする働きがあります。副骨は成長の過程で癒合すべき部分が癒合せずに残ったり、骨折が癒合せずに残ってしまったために生じる小さな骨です。足には多くの種子骨や副骨があり、痛みの原因となることがあります。青年期のスポーツ選手で生じることが多いようです。

 【母趾種子骨障害】

 母趾MTP関節の足底側にある小さい骨が母趾種子骨です。この骨の骨折、壊死、炎症などの原因で痛くなるのが母趾種子骨障害です。 症状:歩行時の母趾MTP関節の痛みや圧痛、母趾を反らしたとき(背屈)の痛みがあります。 診断:レントゲンで異常を発見できるものもありますが、できないものはCTやMRIが有用です(図17)。 治療:基本的には安静や消炎鎮痛剤、ステロイドの注射、インソールなどの保存療法で改善します。保存療法で改善しないものには種子骨を摘出する手術を行います。

 【外脛骨障害】

 舟状骨の副骨で、最も多い副骨障害です。舟状骨は内くるぶし(足関節内果)の内下方にある骨です。多くは無症状ですが、運動のしすぎや足関節の捻挫•打撲をきっかけとして症状が出ることがあります。スポーツ活動が盛んな思春期に多くみられます。 症状:足の内側に出っ張りがあり、運動時に痛みがあります。靴が当たったり、ボールをけるときに当たって痛むこともあります。 診断:外観上、出っ張っていることが多く、レントゲンでも発見は容易です(図18)。扁平足を伴うこともあります。 治療:年齢や症状の程度、スポーツレベル等を考慮し決めます。大部分はインソールなどの保存療法で改善しますが、よくならない場合には手術を行います。手術は外脛骨の摘出を行いますが、扁平足を合併している場合には、その矯正手術を同時に行うこともあります。

 【三角骨障害】

 三角骨は足関節の後方に位置する副骨で、これによって痛みを呈するものが三角骨障害です。足関節を下に反る(底屈)ことが多いクラシックバレエやサッカーをやっている方に多い障害です。 症状:典型的には走るときやサッカーのインステップキック、クラシックバレエのポアントの姿勢で足関節の後方に痛みがあります。足関節底屈時に疼痛を認め、圧痛もあります。 診断:上記の症状に加え、レントゲンで容易に発見できます(図19)。CT、MRIを撮ることでさらに詳細が分かります。 治療:注射やテーピングなどの保存療法を行い、改善しないものや早期スポーツ復帰を希望される方に手術を行います。手術は三角骨を摘出しますが、当院では内視鏡手術で行っており、術後の回復が早くなっています(図20)。

 【Os subfibulare】

 外くるぶし(足関節外果)の下にある副骨です。ほとんどは小児期の足関節捻挫の際の裂離骨折が原因といわれています。 症状:運動時に外くるぶしに痛みや圧痛がみられます。足関節の捻挫を繰り返していることが多く、足関節が不安定性な場合もあります。 診断:レントゲンで骨片がみられる為、診断は容易です(図21)。CT、MRIで詳細が分かります。また、不安定性がある場合はストレスレントゲン撮影を行います。 治療:まず保存療法を行い、症状が改善しない場合には手術を検討します。保存療法は病変部に負担がかからないようにサポーター、テーピング、リハビリによる筋力強化などを行います。手術は骨片の摘出と外側靭帯の修復を行います。

4)スポーツ外傷、障害

 【足関節外側靭帯損傷】

 靭帯とは骨と骨をつないで関節を支えているすじのことで、これを損傷するのが捻挫、靭帯損傷です。足関節の捻挫は非常に頻度の多い外傷で、足首を内側に捻って外側の靭帯を損傷することが最も多いです。 症状:新鮮例では、典型的には外くるぶし(外果)の腫れや、痛みがあります。重度の捻挫では体重をかけることができなくなります。陳旧例では日常生活やスポーツでの不安定感や痛み、腫れがあり、また捻挫を繰り返すことがあります。 診断:新鮮例では受傷状況や腫れ、痛みの部位などから概ね診断可能です。捻挫に伴って骨折を起こしている場合があるのでレントゲン検査が必要です。陳旧例で、不安定感が残ったり捻挫を繰り返している場合には靭帯の状態や骨軟骨損傷(後述)の有無をみるためにMRI検査を行ったり、不安定性を評価するためにストレスレントゲン撮影(図22)を行ったりします。当院では、3DMRIという特別なMRI撮像法で、靭帯の詳細な状態を評価しています(図23)。 治療:新鮮外側靭帯損傷の多くは保存治療にて良好に治癒します。重症度に応じてギプス固定やサポーター固定を行います。小児の場合、小さな骨折を起こしていることが多く、症状が軽くてもギプス固定を行うことがあります。再発の予防には足関節周囲の筋力訓練やバランス訓練などのリハビリが重要です。陳旧例で痛みや不安定感が残り、日常生活やスポーツ活動に支障がある場合には靭帯を修復したり、再建する手術を行います。残存する靭帯の状態によっていくつかの術式を使い分けています。 症例によっては、関節鏡を使った創の小さい手術を行っています(図24)。

 【腓骨筋腱脱臼】

 外くるぶし(外果)の後方を回りこむように走る長腓骨筋という筋肉の腱が外果を乗り越えて前方に脱臼する疾患です。スキーやサッカーなどのスポーツ中に受傷することが多いですが、まれに生まれつきの場合もあります。いったん生じると多くの人で繰り返します。 症状:初回の受傷時には外果部の痛みや腫れ、内出血がみられますが、足関節捻挫との区別が難しいことが多く、診断がつかないことがあります。その後陳旧性となると、日常生活やスポーツで脱臼を起こし、痛みや脱力感、腱が外れる感じ(弾発感)を繰り返します。 診断:腱の脱臼が確認できれば診断は確定します。診断が難しい場合には超音波検査やMRIなどを行います(図25)。 治療:陳旧性の場合は保存療法が無効なことが多く、手術を行います。腱の周りの骨や軟部組織によって腱が脱臼しないように抑え込む手術を行います(図26)。

 【距骨骨軟骨損傷】

 足関節を構成する距骨の軟骨と骨が痛んだ状態です。多くは繰り返しの捻挫により生じますが、外傷歴のはっきりしない場合もあります。 症状:受傷時には足関節の腫れや疼痛、ひっかかり感などがありますが、足関節外側靭帯損傷を伴っていることも多く、どちらの痛みかわかりにくいことがあります。長期経過した場合では長時間の立ち仕事や運動で足関節の腫れと痛みがありますが、多くは安静により症状は改善します。 診断:足関節捻挫の後に痛みがひかない場合、レントゲンの再検査やCT、MRIなどで診断します(図27)。ストレスレントゲン撮影によって足関節の不安定性も評価します。 治療:特に経過が長い場合は、ギプス固定をして体重をかけないようにする保存療法では効果がない場合が多く、手術が必要になります。手術は主に関節鏡で行いますが、年齢や活動性、病変部の大きさ・状態などに応じいろいろな術式を選択します(図28)。

 【疲労骨折】

 スポーツなどで、繰り返しの負荷がかかり続けることにより骨折を起こすのが疲労骨折です。活動性の高い中高生やスポーツ選手に起こることが大半ですが、小学生や中高年でも足に負担がかかり生じることがあります。様々な部位に生じますが、第五中足骨(Jones骨折)と舟状骨の疲労骨折などは治療に時間がかかり、また、手術が必要になることが多いです。サッカーやバスケットボール、陸上などで多い骨折です。 症状:初期は運動時や運動後に痛む程度ですが、進行すると日常生活でも痛むようになります。骨折部の腫れを伴うこともあります。完全な骨折に至った時には、急に痛みがひどくなることがあります。 診断:初期は、レントゲンで骨折がわからないことが多く、診断にMRIやCTが必要となります。完全な骨折に至ったり、骨折が治り始めてくると、初めてレントゲンで骨折がわかるようになります。 治療:多くの疲労骨折は安静のみで治癒しますが、第五中足骨(Jones骨折)や舟状骨の疲労骨折など難治性ものは、早期スポーツ復帰のために手術を選択します(図29)。

 【アキレス腱断裂】

 ふくらはぎと踵をつなぐ腱がアキレス腱です。8割はスポーツによる受傷ですが、40歳代に最も多く、年齢による腱のいたみ(変性)も原因の一つです。ありふれた病気のわりには、初診時に正しく診断されなったり、病院を受診せず放置したりして陳旧性になることが多く、注意が必要です。 症状:受傷時には、周りの人にも聞こえるような音とともに、「後ろから踵をたたかれた感じ」があるのが典型的です。陳旧性になると、足の力が入りにくくなるため、爪先立ちなどができなくなります。 診断:新鮮例では、診察だけでほぼ診断が可能です。超音波検査では、断裂部を画像で確認することができます(図30)。陳旧性の場合には、診察で診断がつかないこともあるため、MRIで断裂部を確認します(図31)。 治療:新鮮例では、ギプスや装具による保存治療と手術で断裂した腱を縫合する治療のどちらも選択できます。陳旧例の場合は、日常生活に支障がなければ放置しても差し支えありませんが、筋力を回復させるには手術が必要です。腱の欠損の大きさにより、様々な手術法を使い分けます。

5)足根骨癒合症

 生まれつき、足の二つの骨が癒合している病気です。骨同志が完全にくっついているわけではなく、線維のような組織で不完全につながっている状態のことがほとんどです。距骨と踵骨が癒合した距踵間癒合症と、踵骨と舟状骨が癒合した踵舟間癒合症が多いですが、その他にも様々な骨で生じます。また、特に痛みがなく、レントゲンでたまたまみつかることもあります(図32)。 症状:スポーツをしているお子さんで、成長して骨が硬くなってくる10歳前後に痛みが出ることが多いです。距踵間癒合症では内くるぶし付近が、踵舟間癒合症では、足の外側が痛くなります。成人になって、癒合して出っ張った骨が神経を圧迫することによって足のしびれが出る(足根管症候群)こともあります。 診断:癒合した部分が大きい場合には、外見上骨の突出がわかり、レントゲンでも診断は容易です。癒合部が小さい場合には、CTやMRIで初めて診断がつくこともあります。 治療:保存療法は、安静や靴のインソールで負荷の軽減を行います。痛みが続いて日常生活やスポーツ活動に支障がある時には、癒合部分を切除する手術を行います(図33)。

6)腱付着部症

 【アキレス腱付着部症】

 アキレス腱が踵の骨に付着する部分で炎症が起こり発症します。アキレス腱自体に炎症が起こるアキレス腱実質部症というものもありますが、両者は厳密には区別されます。主な原因としてはスポーツ活動などによる使い過ぎで起こります。比較的若い人にみられ、両側に発症することも多く、スポーツによるものでは陸上競技、特に中・長距離種目に多く発生します。 症状:歩行時、運動時にアキレス腱付着部周囲に痛みを訴えます。同部位に強い圧痛を認めます。後ろから観察するとアキレス腱付着部全体が腫れて厚くなっていることがあります。 診断:アキレス腱付着部周囲に圧痛を認めることから診断は比較的容易に行われます。MRIではアキレス腱周囲が厚くなったり、傷んでいる様子がよくわかります(図34)。 治療:安静、痛み止めの内服やストレッチに加え、インソールを作成し踵の位置を上げることで痛みが緩和されます。それでも改善しない場合は、体外衝撃波治療や、アキレス腱周囲の癒着を剥離する手術を行います。

 【足底腱膜炎】

 足の裏には、踵の骨から足先にかけて足底腱膜という強靭な線維が走っており、歩行時の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。スポーツや長年の繰り返しの負担により、足底腱膜の踵の骨に付着部する部分で傷んだり炎症を起こしたりして、痛くなります。長時間の歩行や立ち仕事が原因となるため、中年以降の女性に多い病気です。またジョギング愛好者や陸上の長距離ランナーにも多い病気です。 症状:足の裏、踵の部分が痛くなりますが、朝、起床時の一歩目の痛みが特徴的な症状です。痛みはランニングや歩行の開始時に強く、運動を続けると徐々に軽くなることが多いです。長時間の歩行を続けたり、夕方になると、再度痛みが強くなります。 診断:上記の症状と踵の圧痛により、診断は比較的容易です。レントゲンでは踵骨棘という骨のとげを認めることもありますが、とげ自体が痛いわけではなく、レントゲンでは映らない腱膜の痛みです。MRIや超音波検査では、腱膜が厚くなったり、傷んでいる様子がよくわかります(図35)。 治療:8割程度の方は自然に改善しますので、痛みが強くなければ治療をせずに様子をみていても問題ありません。ご自身で簡単にできる治療としては、足底腱膜のストレッチ(図36)が痛みを軽くするのに効果があります。スポーツが原因の場合には、一定期間ランニングなどの制限が必要かもしれません。その他、痛み止めの内服や踵の負担を減らすためのインソールの作成、ステロイドの注射を行います。それでも改善しない場合は、体外衝撃波治療や、足底腱膜を一部切離する手術を行います。

7)関節リウマチ

 免疫の異常によって、からだの様々な関節に炎症が起きて痛む病気です。30-50歳代の女性に発症することが最もおおい多い病気で、進行すると関節の変形や破壊がおこります。 症状:全身の関節に痛みや腫れがでる可能性がありますが、足趾の症状で発症することが最も多いとされています。病状が進行すると、足首や足趾の著明な変形に至ることもあります。 診断:発症の初期に診断して治療を開始することが非常に重要なのですが、この時期はレントゲンで異常がなく、診断が困難なことがしばしばあります。診察の所見と採血で診断をしますが、MRIや超音波検査で関節の炎症を見ることも診断に役立ちます。 治療:抗リウマチ薬による薬物治療を行います。その他、痛み止めの内服や関節内注射で関節の炎症を抑えることがあります。足部の変形に対しては、靴やインソールで負荷の軽減を図ります。保存療法の効果がなく、また変形が強い場合には手術を行うことがあります。手術は、痛みのある関節の部位により様々ですが、できるだけ関節の動きを残すような手術を行っています(図37)。

8)神経の疾患

 【モートン病】

 足趾の間で神経が圧迫されることにより生じる神経の障害です。第3趾と4趾の間の神経が圧迫されることが最も多く、中年以降の女性に多い病気です。近年、日本でも靴の着用時間が長くなり患者様が増えてきています。 症状:歩行時や爪先立ちをした時の、足趾や足趾の付け根の痛み、しびれです。ひどくなると、安静にしている時にも痛みがでることがあります。 診断:上記の症状と、診察(足趾の間を押した時の痛みや、感覚の検査)で診断をします。また、障害された神経がコブのように大きくなり(神経腫)、MRIで見えることがあります(図38)。似たような痛みをおこす病気が他にもたくさんあるため、注意が必要です。 治療:多くは手術をしないでも痛みが改善します。足の負担を減らすための靴やインソールの作成、ブロック注射、痛み止めの内服などの治療を行います。これらで改善しない場合は、神経の切除などの手術療法を行うことがあります。手術をしても痛みが残る場合もあるため、注意が必要です。

 【足根管症候群】

 足首、内くるぶしの少し下の部分には、足根管という骨と靭帯にかこまれたトンネル状のスペースがあります。その中に通っている神経が圧迫されて発生する神経の障害が、足根管症候群です。しこり(ガングリオン)や骨の出っ張り(足根骨癒合症)による神経の圧迫が原因のこと多いですが、はっきりした原因がないこともあります。 症状:足首の内側から足の裏、足趾にかけてのしびれや痛みです。歩行や運動をした時の痛みが主ですが、入浴時、夜間などにも痛みがでることがあります。 診断:上記の症状に加え、足根管部分を軽くたたくと症状が誘発される現象(Tinel様徴候)が診断に有用です。超音波検査やMRIで、足根管内のガングリオンなどの有無を調べます(図39)。また、電気生理学的検査という方法で、神経の障害を検査します。腰の病気による坐骨神経痛など、似たような症状を起こす病気があるため、鑑別のため様々な検査を行います。 治療:安静、痛み止めの内服やステロイドの足根管内への注射が効果的です。扁平足がある場合にはインソールや装具を使用することもあります。手術は、占拠性病変の切除を行います。占拠性病変が神経圧迫の原因となっている場合には、早めに手術を考慮してもよいかもしれません。

9)骨折、脱臼

 足部、足関節の骨折はたくさんの小さな骨が複雑に積み重なってできています。そのため、骨折や脱臼の診断が難しいことがしばしばあります。また、小さな骨に全体重が集中するため、骨折や脱臼の後、わずかな関節のずれが頑固な痛みを残すことがあります。 症状:大きなけがの場合には、強い痛みや腫れがでるので骨折や脱臼を疑うことは容易です。一方、けがの直後に痛みや腫れがそれほど強くない場合でも損傷があることがあるため、注意が必要です。 診断:上記の症状に加え、レントゲンやCT、MRI、超音波検査など様々な画像検査で損傷を診断します。わずかな損傷を診断するために、けがをしていない方の足の画像も撮影して比較することにより、はじめて損傷が診断できることもあります(図40)。 治療:けがをした直後の場合は、ギプスなどで足を固定して骨が癒合するのを待つ治療か、手術をしてずれた骨、関節を戻し、固定する方法があります(図41)。時間がたって骨折を元に戻すのが難しい場合には、いたんだ関節を固定する手術(関節固定術)を行うこともあります。

スタッフ

  • 佐粧 孝久千葉大学予防医学センター 教授
  • Takahisa Sasho, MD, PhD.
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経歴

    1989年 千葉大学医学部卒業

    1989年 千葉大学整形外科教室入局

    1996年 千葉大学大学院医学研究科博士課程(外科系)修了(医学博士)

    1997年 千葉大学医学部附属病院整形外科、医員

    2000年 千葉大学助手医学部附属病院(整形外科)

    2001-2003年 カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)留学

    2004年 千葉大学大学院医学研究院・整形外科学、助教

    2010年 千葉大学医学部附属病院整形外科、講師

    2013年 千葉大学大学院医学研究院・整形外科学、講師

    2013年 千葉大学大学院医学研究院・整形外科学、准教授

    2015年 千葉大学教授予防医学センター(現在に至る)

資格等

    日本整形外科学会代議員

    日本整形外科学会関東地区資格認定委員

    日本整形外科学会専門医

    日本体育協会公認スポーツドクター

    日本整形外科学会認定スポーツ医

    日本整形外科学会認定リウマチ医

    日本リウマチ学会登録医

    JOSKAS(日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)評議員

    JOSKAS膝機能評価委員

    東日本整形災害外科学会評議員

    関東膝を語る会世話人

    千葉県体育協会スポーツ医事・科学研究委員会委員

    Member of OARSI

    Member of ISAKOS

受賞歴

    1998年 日本膝関節学会 広畑賞受賞

    2009年 日本膝関節学会最優秀論文賞(共著)

    2012年Young Investigator Award of OARSI(共著)

    2014年 Young Investigator Award of OARSI(共著)

    2017年 第22回日本軟骨代謝学会賞(共著)

業績一覧
  • 山口 智志国際教養学部 准教授
  • Satoshi Yamaguchi, MD, PhD.
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経歴

    1999年 千葉大学医学部卒業
    2007年 千葉大学大学院修了(医学博士)
    2007年-2008年 米国フロリダ大学(Orthopaedic Biomechanics Laboratory, Department of Mechanical and Aerospace Engineering)留学
    2008年-2009年 奈良県立医科大学整形外科 医員
    2010年 千葉大学医学部附属病院 医員
    2010年 千葉大学医学部附属病院 助教
    2015年 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 助教
    2016年 千葉大学国際教養学部 准教授

    2003~2006 千葉県国体サッカー少年男子ドクター
    2003~2006 U16/U18サッカー日本代表ドクター

    2020年 千葉大学国際学術研究院 准教授

資格等

    日本整形外科学会専門医
    日本整形外科学会認定スポーツ医
    日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
    日本体育協会公認スポーツドクター
    日本足の外科学会評議員
    日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)評議員
    ロコモチャレンジ!推進協議会委員
    関東足の外科研究会世話人
    東京スポーツ整形外科研究会世話人
    千葉県足関節足部疾患研究会世話人
    千葉足の外科研究会世話人
    Journal of Orthopaedic Science Editorial Board Member
    千葉県体育協会スポーツ医事・科学研究委員会委員
    千葉県サッカー協会スポーツ医学委員会委員
    日本整形外科学会専門医試験委員会委員、Q&A委員会委員
    AOFAS Young Physicians Committee International Ambassador

受賞歴

    2005年 千葉スポーツ医学研究会 学会賞
    2006年 千葉スポーツ医学研究会 学会賞
    2012年 第1回日本足の外科学会学術奨励賞
    2013年 第1273回 千葉医学会整形外科例会 臨床部門 最優秀演題
    2017年 第42回日本足の外科学会学術集会 優秀ポスター賞

現在の研究
  • インターネット上の医療情報の質とヘルスリテラシーに関する調査
    X線透視やdigitally reconstructed radiographyを用いた足部・足関節動態計測と画像評価
    外反母趾に対する手術治療成績と関連する因子
    外反母趾の頻度に関する全国規模の疫学調査
    ロコモティブシンドロームに関する住民コホート研究
    足関節前方引き出しテストの評価の再現性、妥当性に関する屍体、超音波を用いた研究
    高齢者の足部・足関節骨折の治療成績
    高齢者の変形性足関節症に対する治療成績
    変形性足関節症患者の身体活動量と手術成績との関連
    スマートフォンを用いた外反母趾の計測
    アキレス腱断裂の治癒過程に関する画像評価や疫学調査
業績一覧
  • 木村青児特任助教
  • Seiji Kimura,MD,PhD
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経歴

    2010年 千葉大学医学部卒業
    2012年 初期臨床研修修了(済生会習志野病院)、千葉大学整形外科入局
    2019年 千葉大学大学院修了(医学博士)
    2020年 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 先端脊椎関節機能再建医学講座 特任助教

資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本体育協会公認スポーツドクター

現在の研究
  • アキレス腱断裂後の多血小板血漿(PRP)による腱修復促進効果の検討
    変形性足関節症における身体活動量に関する研究
    脛腓間離開を伴う足関節骨折に対するsuture-buttonを用いた整復位の評価
  • 堀井真人特任助教
  • Manato Horii, MD, PhD, Assistant Professor
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経歴

    2012年 千葉大学医学部卒業

    2014年 千葉大学整形外科入局 関連病院勤務

    2022年 千葉大学大学院修了(医学博士)、千葉大学大学院医学研究院総合医科学講座 特任助教

    2023年 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 先端脊椎関節機能再建医学講座 特任助教

資格等

    日本整形外科学会専門医

    日本整形外科学会認定リハビリテーション医

    日本整形外科学会認定リウマチ医

    日本スポーツ協会公認スポーツドクター

現在の研究
  • 学校運動器検診における現状の課題と今後の展望
    小児扁平足に対する硬性インソールの治療効果検証
    膝関節手術の治療効果に対する有限要素解析の応用
業績一覧
  • Foot morphology and correlation with lower extremity pain in Japanese children: A cross-sectional study of the foot posture Index-6. M Horii, R Akagi, Y Ogawa, S Yamaguchi, S Kimura, Y Ono, S Watanabe, M Shinohara, H Hosokawa, S Ohtori ,T Sasho J Orthop Sci. 2023 Jan;28(1):212-216. doi: 10.1016/j.jos.2021.09.014.

    Risk factors for the occurrence and protraction of patellar and patellar tendon pain in children and adolescents: a prospective cohort study of 3 years. M Horii, R Akagi, S Takahashi, S Watanabe, Y Ogawa, S Kimura, S Yamaguchi, S Ohtori, T Sasho BMC Musculoskelet Disord. 2022 Apr 26;23(1):389. doi: 10.1186/s12891-022-05349-y.

    The influence of COVID-19 pandemic on the incidence of knee pain and physical activity level in children and adolescents in Japan: A prospective observation study. M Horii, R Akagi, S Kimura, S Watanabe, S Yamaguchi, T Sasho, S Ohtori J Orthop Sci. 2022 Jun 29;S0949-2658(22)00174-9. doi: 10.1016/j.jos.2022.06.009.

    Referential values for lower limb flexibility in healthy children and adolescents in Japan: A five-year cross-sectional study. M Horii, S Kimura, R Akagi, S Watanabe, S Yamaguchi, S Ohtori, T SashoJ Orthop Sci. 2023 Apr 11;S0949-2658(23)00085-4. doi: 10.1016/j.jos.2023.03.015.

    Effect of Systemic Administration of Granulocyte Colony-Stimulating Factor on a Chronic Partial-Thickness Cartilage Defect in a Rabbit Knee Joint. Y Ono, R Akagi, Y Mikami, M Shinohara, H Hosokawa, M Horii, S Watanabe, Y Ogawa, A Sadamasu, S Kimura, S Yamaguchi, S Ohtori, T Sasho Cartilage. 2021 Dec;13(2_suppl):175S-184S. doi: 10.1177/19476035211021905.

    Nuclear receptor subfamily 1 group D member 1 in the pathology of obesity-induced osteoarthritis progression. H Hosokawa, R Akagi, S Watanabe, M Horii, M Shinohara, Y Mikami, K Toguchi, S Kimura, S Yamaguchi, S Ohtori, T Sasho J Orthop Res. 2023 May;41(5):930-941. doi: 10.1002/jor.25440.

    Direct application of the tumor necrosis factor-α inhibitor, etanercept, into a punctured intervertebral disc decreases calcitonin gene-related peptide expression in rat dorsal root ganglion neurons. M Horii, S Orita, M Nagata, M Takaso, K Yamauchi, M Yamashita, G Inoue, Y Eguchi, N Ochiai, S Kishida, Y Aoki, T Ishikawa, G Arai, M Miyagi, H Kamoda, K Kuniyoshi, M Suzuki, J Nakamura, T Toyone, K Takahashi, S Ohtori Spine (Phila Pa 1976). 2011 Jan 15;36(2):E80-5. doi: 10.1097/BRS.0b013e3181d4be3c.

    A Case with Rapid Progression of Anemia Due to an Intravertebral Body Pseudoaneurysm with a 3-Column Osteoporotic Vertebral Fracture from Ankylosing Spinal Disorder. T Sainoh, S Orita, M Horii, JHirayama, M Suzuki, K Inage, Y Shiga, Y Sakuma, G Kubota, Y Oikawa, J Sato, K Fujimoto, Y Aoki, Y Eguchi, T Nakajima, H Takahashi, M Koda, T Akazawa, S Maki, T Furuya, S OhtoriSpine Surg Relat Res. 2020 Sep 23;5(4):313-316. doi: 10.22603/ssrr.2020-0099.

  • 戸口郁大学院生・スポーツグループ
  • Kaoru Toguchi,MD
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経歴

    2014年 千葉大学医学部卒業
    2016年 千葉大学整形外科入局

資格等

    日本整形外科学会専門医

現在の研究
  • 質的MRI(T1ρ, T2 mapping法)を用いた前十字靱帯再建術後の膝関節軟骨損傷定量評価
    内側半月板後根断裂後の膝関節冠状面亜脱臼のMRIによる定量評価
    人工膝関節置換術時の切除検体を用いた組織治癒の解析
  • 伊藤竜大学院生, スポーツグループ
  • Ryu Ito, MD.
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経歴

    2015年 北里大学医学部卒業

    2017年 初期臨床研修修了(君津中央病院、千葉大学医学部附属病院)、千葉大学整形外科入局

資格等

    整形外科専門医

    日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医

  • 坂本卓弥大学院生
  • Takuya Sakamoto, MD
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経歴

    2015年 千葉大学医学部卒業
    2017年 横浜労災病院初期研修修了、千葉大学整形外科入局

資格等

    日本整形外科学会専門医
    日本体育協会公認スポーツドクター
    日本整形外科学会認定スポーツ医

現在の研究
  • 骨折モデルにに対するMuse細胞の骨癒合促進効果の検証
    変形性膝関節症におけるperiostin遺伝子の発言に関する検討
  • 中嶋啓文大学院生, スポーツG
  • Hirofumi Nakajima, MD
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経歴

    2016年 弘前大学医学部卒業 成田赤十字病院初期研修医

    2018年 千葉大学整形外科入局 関連病院勤務

    2022年 千葉大学医学部附属病院

資格等

    日本医師会認定健康スポーツ医

    AOTrauma Course – basic終了

    Pre Hospital Immediate Care in Sport Course Level2終了

現在の研究
  • ダンススポーツと外反母趾や足部痛との関連
    脛腓間離開を伴う足関節果部骨折の手術におけるcenter-center methodの妥当性の検討
    屍体足を用いた足関節前方引き出しテストの再現性の検討
    超音波診断装置を用いた足関節牽引に伴う浅腓骨神経と深腓骨神経の動態
  • 林 伸晃大学院生
  • Nobuaki Hayashi, MD
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経歴

    2016年 千葉大学医学部卒業

    2018年 日本赤十字医療センター初期研修修了, 千葉大学整形外科入局

資格等

    アスルクラロ沼津チームドクター

    AOTrauma Course – basic修了

    Pre Hospital Immediate Care in Sport Course Level2修了

  • 濱田剛史大学院生
  • Tsuyoshi Hamada, MD
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経歴

    2016年 名古屋市立大学卒業

    2018年 初期臨床研修修了(春日井市民病院)、千葉大学整形外科入局

資格等

    日本医師会認定健康スポーツ医

    Pre Hospital Immediate Care in Sport Course Level2終了