外傷グループ

整形外科外傷グループを2016年4月に発足いたします。
 外傷グループの診療内容は、千葉大学病院救命救急センターに搬送された重症外傷患者の初期診療への参加、救急ICU患者の整形外傷治療マネージメント、そしてご依頼があれば関連病院での外傷手術のサポートを行います。
 多発外傷患者に合併した骨折は、救命救急科や整形外科各グループと協力し、全身管理のサポートのための治療ロードマップの策定を行い、早期の根本治療、リハビリテーション、社会復帰を目指します。

 外傷グループに所属する医師は、外傷患者全般に関する診断治療知識を習得し、多発外傷患者のdecision makingができること、自身の専門性を高めることを目標にしています。
 メンバーは大鳥精司先生(整形外科准教授)を筆頭に、中嶋隆行(東千葉メディカルセンター特任講師)、姫野大輔先生(大学院)、各グループの外傷担当で構成され、救命救急科医師との緊密なチーム医療によって運営いたします。

 救命救急科との合同カンファレンスでは患者病態を共有し、整形外科カンファレンスでは手術内容に関しての厳しいチェックを行います。
 患者の病態、担当医師、手術室の運用等の状況に応じて大学病院、東千葉メディカルセンターの両手術室を活用し、適切な時期に適切な手術を行います。
 急性期・周術期から回復の見られた患者は、早期から策定した術後スケジュールに沿ったリハビリテーションを行い、基本的にグループの外来にてCase seatを用いて機能予後を評価します。

 このように外傷患者の初期診療から参画し、手術、リハビリテーション、機能評価までを含めた一貫性のある診療を行うのが外傷グループの大きな特色です。

主な疾患
対象となる病態、手術は以下の4項目を重要と考えております。

  1. 多発外傷に対するDamage control orthopaedics (DCO) / Early total care (ETC)
  2. DCO、Limb DCO後のDefinitive fixation(各診療グループと連携)
  3. 骨盤輪骨折、寛骨臼骨折
  4. 遷延癒合、偽関節

大鳥 精司 准教授
  • 千葉大学大学院医学研究院 整形外科学 准教授
中嶋 隆行 医師
  • 東千葉メディカルセンター特任講師
姫野 大輔 医師
  • 千葉大学大学院医学研究院 整形外科学 大学院生

  そのほか各疾患グループ外傷担当医師




症例供覧

1.

01
 交通外傷にて搬送された多発外傷、四肢多発骨折の患者は、救命救急科にてTAE等の処置を施行されたのち、直ちにDCOを行います。

2.

02
 DCOにより、長管骨骨折部は安定し、全身状態の早期回復が期待できます。牽引処置や過度の鎮静の必要はなく、患者管理上重要な体位交換やベッドアップに基本的に制限はありません。この時点で最終固定の検討が始まります。

3.

03
 両大腿骨の最終固定にはプレートを選択し、骨癒合が得られました。最終固定後には早期からリハビリテーションを開始します。上肢、骨盤骨折も同様に骨癒合が得られ、受傷前と同等の日常生活に復帰されております。

4.

04
 高所からの墜落外傷にて受傷した足関節骨折の患者は、受傷エネルギーの大きさと骨折部周囲の軟部組織に配慮し、創外固定を用いたlimb DCOを行います。軟部組織の回復を確認したのち、最終固定を行います。(Staged operation)

5.

05
 最終固定にはプレートを選択しています。軟部組織に余裕のある状態で、厳密な関節面の整復と強固な固定を達成しています。

6.

06
 高所からの墜落外傷にて受傷した骨盤骨折の患者です。寛骨臼前柱から腸骨翼に至る骨折線が認められます。Quadrilateral surfaceの転位とmarginal impactionも認められました。前方からの展開にて関節面の整復、骨移植を行い、恥骨から仙腸関節近傍および腸骨翼の強固なプレート固定を達成しました。

7.

07
 バイク事故により受傷した骨盤輪骨折の患者です。Open book型の骨盤輪骨折で、恥骨結合離開、両側寛骨臼前柱骨折、両側仙腸関節損傷を認めております。横方向に不安定性、転位のある右仙腸関節のスクリュー固定、右前柱から恥骨結合まで強固なプレート固定を行い、骨盤輪の再建を達成しました。

8.

08
 非常に難しい大腿骨転子下骨折の患者です。髄内釘にて一度固定されておりますが、転位の整復には至らず、骨欠損部の大きさからは現状での骨癒合は期待できません。

9.

09
 髄内釘抜去後、骨折部のアライメントを厳密に整えました。大腿骨近位後方には骨欠損が確認されたため、プレートによる再固定および骨移植を施行しました。