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名誉教授の独り言(184) 貴の乱

更新日 平成30年4月4日

 日本大相撲3月場所が横綱鶴竜の優勝で終わりました。稀勢の里がはやばやと休場を表明し、白鵬も休場となり、鶴竜は昨年の成績が悪く、手の指を脱臼したということで、今場所は3横綱休場かと騒がれていたのに鶴竜だけは恐る恐る出場し、何と優勝してしまいました。あの7日目の貴景勝との一番では鶴竜の左足親指は絶対に出ていたと思っています。物言い協議で出ていないことになり(?)、鶴竜は勝ちになってしまいました。その他にも何番か取り直しで良いのでは、という取り組みもあり、何か変な感じがしていました。私は昨年1月で横審委員長を満期終了しましたので、何ら言う立場ではないので、「大丈夫?」ぐらいしか言えません 。
 丁度2年前の横審の日に私は慢性硬膜下血腫の緊急手術を受けました。何となく変だったので後輩の神経内科の女医さんに診てもらいましたら「緊急手術です」と言われ慌てて日本相撲協会に携帯して横審の欠席を認めてもらい、その後、手術をしてくれる病院に搬送され、局所麻酔で頭蓋骨にドリルホールを開けてもらい血腫を洗い流してもらい一命を取り留めました。その時は大変我儘な患者でした。手術をしてもらい翌朝にはすっかり元気になってしまい、その日は病院に泊まったのですが、2泊3日目の朝にもう帰りたいと思い、主治医にお願いしたら「ふつうは9日はいてもらいます。おまけをしても7日ぐらいは居てほしいです。でも私は先生の授業を受けた身です。絶対にダメとは言えません。先生がどうしても帰りたいというのなら自己責任でお帰り下さい」という事で脳外科の手術を受けて2泊3日で退院してしまいました。帰ってきて翌日散歩をしたら頭痛が起こり、1週間続きました。これが最低7日は入院が必要と言った理由かと思いました。
 今回、八角理事長が再選されましたが、再任の挨拶で「暴力追放と不祥事の再発防止が目標」という事はプロスポーツ団体の最高責任者が言う言葉でしょうか?是非とも健全なスポーツ団体になってほしいと願っています。
 それにしても貴乃花親方の豹変ぶりには驚きました。「貴の乱」と言われ、あれだけ日本相撲協会に対立した態度をしておきながら「すみませんでした。深く反省しています。もうしませんから許してください」という小学生が先生に怒られた時に言うような言動には違和感を覚えました。弟子の貴公俊が、自分より年長で先輩が自分より格が下という理由で付け人だったとはいえ、殴ってしまったという事はプロスポーツとしてあり得ないことのように思います。内閣府に告発状まで出して相撲界は間違っているというようなことを言っておきながら、それを弟子の不祥事があったとはいえ、取り下げれば許されるとは、一代年寄だからとか人気があるからとの理由で、格下げだけで許されるとは、大相撲界の曖昧さ、いい加減さが露呈されたような感じです。八角理事長はやれるだけの最大の努力をしたと思っています。これからは貴乃花親方の今後の動向に掛かっているとのコメントがありましたが、正にその通りだと思います。プロスポーツとしては「最高のプレーを見せたいとか、ファンを感動させたい」とか、大相撲の最高責任者には言ってほしかったと思っています。私はもう相撲界とは何の関係もありませんので、一相撲ファンとして言っているだけで、「あっしには関わりの無いことでござんす」です。