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名誉教授の独り言(207) 医師の生涯研修

更新日 令和1年9月20日

 私はもう78歳ですが、先日の日曜日に夏季研修会に出席してきました。その前日にゴルフに行ってきてしまいましたので休養を兼ねてでした。ゴルフの成績は前半が50で後半16番が終わって12オーバーでした。17番パー3は2 on 1put,やっとの思いでパー、18番でパー4のところを第3打でガードバンカーに入れてしまい、今日も100を切れないかと諦めかけていましたが、バンカーショットは3mぐらいのところに寄り、下りのパットを残してしまいました。毎晩ベッドのそばのパット練習マットで練習していることを思い出し打ったパットが入ってしまい、辛うじて49で上がることが出来、99となり、なんとか100を1打切ることが出来ました。

 研修会の話です。スポーツクラブで、一般会員に医学研修会の話をしたら、「先生もまだ勉強するんですか?」と言われてしまいました。確かにこの年になって,まだ勉強する職種は珍しいように思います。でも医学は日進月歩です。私が教授だった頃には無かった新薬、治療法や手術法も沢山あります。知識として取り入れてないと、少しだけ医師をしている身としては対応できません。でも、この年になると「この演者の言っていることは変だな、言葉足らずかウソだな」と思う事もしばしばです。

 このように研修会に出席するのは、多くは専門医資格の継続に必要な研修単位を取るためです。この専門医資格を取っても,現在は専門医でない一般医が診ても、専門医が診ても診療報酬は全く同じです。専門医資格を取っても社会的、経済的に何ら特典はありません。自分に自分で「あなたは良い医者ですよ、専門医ですよ」と囁くだけです。そのような制度では、専門医資格の取得・継続に困難が生じてしまいそうです。アメリカはその点はっきりしているようです。 

 専門医制度の創立や継続を含め日本の診療報酬支払制度は、資本主義社会の中の唯一の共産主義と言われています。診療報酬は研修1年目の医者が診ても、ベテラン教授が診ても同じです。それが専門医なのだと専門医機構は言っています。でも何の報酬も無い経済制度は多くの人に受け入れられるのはむつかしいでしょうし、そのような専門医制度は。経時的に消えて行ってしまうのではないかと案じています。やはりなんらかのご褒美をあげるべきだと思います。このままにして「学生時代に勉強しない,試験は辛うじてパス。このような医師は卒業後も勉強しません。でも、この手の人は商売上手でお金持ちになる人が多くいます。専門医制度を何等かの報酬に結びつかせないと、大変なことになるように思います。

 私は今期の専門医資格の期間が切れたらもう更新はしません。医者そのものも辞めるかも知れません。