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JSFR2017に参加して

更新日 2017.7.14

千葉大学整形外科外傷グループ
姫野大輔

 7月7~8日福島県郡山市にて第39回骨折治療学会(Japanese Society for FractureRepair;JSFR)が開催されました。
 本会は帝京大学外傷センターを主幹として開催されましたが『病的骨折』『外傷登録制度』『外傷教育』などの今までの骨折治療学会にはないテーマが扱われておりました。
 『病的骨折』のセッションでは帝京大学河野博隆教授を初めとして骨軟部腫瘍専門の先生方よりご講演頂き、これから更に増えていくがん患者さんに対する一般整形外科医の積極的治療介入の必要性が強調されておりました。
 また『外傷登録制度』『外傷教育』についても多くの先生により熱い討論が繰り広げられており、今後外傷治療のあり方について改めて考えさせられる貴重な機会となりました。

 本会では千葉大学関連の先生から27演題と多くの発表がされ、多くの同門の先生方が参加 されておりました。
 昨年に続き学会賞最終選考に東千葉メディカルセンター中嶋隆行先生の『ショートフェモラールネイルのラグスクリュー引き抜き強度とHA骨補填材による引き抜き強度の増強強度の検討』が残りましたが、惜しくも2年連続の受賞には至りませんでした。
 中嶋先生の後に続きよいご報告ができるようにこれからも精進して参ります。

 また教育研修講演では千葉県こども病院の西須孝先生が『小児骨折の後遺症-その原因と対応について』をご講演され、小児外傷の後遺症(過成長、変形癒合、骨端線損傷後の骨性架橋等)に対する治療を実際の症例を供覧しながらわかりやすく解説して頂きました。
 やはり日常診療で頭を悩ませることが多いのか、300人以上入る会場が西須先生の話をぜ ひ聞きたいという聴衆で超満員となっておりました。

 最後になりますが会期中に開催させて頂いた懇親会には35名もの多くの先生にご参加頂くことができました。
 学会直前にお誘いとなってしまったにも関わらず、快くお集まり頂いた千葉大学の同門の先生方の暖かさと深い絆を感じました。
 いつもお世話になっている同門の先生方にこの場をお借りし深く御礼申し上げます。

JSFR2017に参加して

東千葉メディカルセンター
中嶋隆行

 2年連続の学会賞を目指し、学会賞選考講演まで残りましたが、残念ながら学会賞には至りませんでした。

 受賞は東京医科歯科大・神戸大であり、大学で基礎・画像診断分野から積み重ねた研究でした。

 学会のトレンドとしては、帝京大学外傷センターが主幹であったこともあり、より実践的な臨床研究、ビデオ講演などが多かった印象があります。

 しかし学会賞の選考からは、骨折治療学会も基礎的研究や前向きでアカデミックな発表をもっと増やすべきだという気運が感じられました。