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国際頚椎学会アジアパシフィックセクション参加記

更新日 2018.5.4

千葉大学
古矢丈雄(H13卒)

   2018年3月22日~24日の日程でインド・ニューデリーに於いて開催されました第9回国際頚椎学会アジアパシフィックセクション (Cervical Spine Research Society Asia Pasific Section (CSRS-AP))に参加して参りましたのでご報告申し上げます。本学会は本邦開催と韓国開催が多く、インド開催は初めての試みでありました。韓国、中国の常連の先生方の多くが参加を見合わせる中、日本からはインド自国参加者の次に多い参加者数だったようです。学会長でありますGanga Medical Centre and HospitalsのRajasekaran教授および教室員によるすばらしいHospitalityで学会は大成功となりました。

 

今回の学会の特徴は一般口演、ポスタープレゼンテーションに加え、重鎮先生方、若手新進気鋭先生によるレクチャーが多く組まれていたことが挙げられます。群馬の榛名荘病院の清水敬親先生や札幌整形外科の鐙邦芳先生のレクチャーは大変な盛況で、インドの先生方も食い入るように聴講しておりました。私も今回は一般口演以外に、ビデオレクチャーの機会を2ついただきまして、胸髄腹側髄膜腫に対する硬膜全周性摘出・再建術と、頚椎後縦靭帯骨化症前方手術時の硬膜欠損に対する処置について、手術ビデオを交え講演させていただきました。発表および質疑とも自分でもびっくりするくらい落ち着いて行うことができましたが、準備不足は否めませんでした。 (2度とないかもしれないようなこのような名誉ある機会でしたので)、もっとしっかり準備して臨むべきだったと反省しております。また、私の一般口演の演題はベストペーパー賞にノミネートされておりましたが、残念ながらノミネート10題→アワード2題のチャンスを勝ち取ることはできませんでした。

今回は千葉大学関連からは、國府田正雄先生 (H3)、染谷幸男先生 (H8)、萬納寺誓人先生 (H11)と私の4名が参加いたしました。

染谷先生はおそらくインドを満喫されていたのでしょう、会場でお会いすることはありませんでしたが、ベストポスター賞を獲得されました。染谷先生、おめでとうございます!!

 

せっかくのインドでしたので、学会前後の少ない余暇時間を最大限に使い、学会参加とともに観光にも気合いをいれました。学会前日には学会主催にて有名なTaj Mahal へのオフィシャルツアーが敢行され、こちらも各国の先生たちと大変楽しい時間を過ごしました。また、学会最終日学会終了後と学会翌日は萬納寺先生とニューデリー市内を散策しました。市内は近代的な地下鉄網が整備されておりましたが、地下鉄の駅を出た瞬間、衝撃的な「期待していた」インドが我々の眼前に突如現れました。カオスという言葉はまさにこのことを指すと確信するような目の前の光景に、私も萬納寺先生もこの地に生きるインド人の圧倒的なパワーにしばし言葉が出ませんでした。

 

 食事はほぼ毎食カレーでしたが、ガイドブック掲載店を中心に回ったせいか、どれも日本人の口に合う、ほど良い辛さのおいしいインドカレーでした。萬納寺先生はかなり食事に気を使われておりました。萬納寺先生、國府田先生からは日本に戻ってから体調を崩されたとの報告をいただいております。私はラッシーも飲みましたし、飲み物も普通に氷入りで注文しましたが、特に問題はありませんでした。運が良いだけなのか、消化管がアジア仕様になっているのかわかりませんが、これも特技と思っております。

 

 いつも同じことを書いておりますが、日本の整形外科医、脊椎脊髄外科医は欧米だけでなくもっとアジアに目を向けるべきと感じております。インドの活力はこちらに来て触れてみないとわからないと思います。若い先生は是非、学会のフェローシッププログラムやアジア開催の国際学会に積極的に参加して、アジアの友達を作り、日本のファンを増やすことにも力を入れるとますます業務に力が入り、日々の研鑚が一層楽しくなるのではと思います。

 

 最後になりましたが不在中業務を代行いただいた頚椎班先生、研修医先生、事務職員様に感謝申し上げます。インドでの学会参加を快諾いただきました大鳥精司教授に深謝申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

千葉大関連発表

Best Poster Award

  1. Yukio Someya. New intermuscular approach for posterior fixation utilizing cervical pedicle screw

 

Oral presentation

  1. Takeo Furuya. Efficacy of posterior decompression with instrumented fusion for K-line (-)-type cervical OPLL; 5-year follow-up (Nominated for Best paper presentation)
  2. Masao Koda. Complications after corrective surgery for dropped head syndrome
  3. Takeo Furuya. Ossification of posterior longitudinal ligament -How to manage dural tear-
  4. Takeo Furuya. Spinal cord tumors -recent advances-

 

Poster presentation

  1. Chikato Mannoji. Two cases of the hematoma in the ligamentum flavum of the cervical spine