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小児整形外科医でお母さん

更新日 2020.6.5

千葉県こども病院
安部 玲(H18卒)

進路を迷っている若手女性医師、医学生、そしてこれから医師を目指す女子たちへ。ひとつ整形外科医といっても色々な生き方があり、その一例をご紹介できればと思います。

 

<整形外科医としてのキャリア形成>

卒後3年目に整形外科の研修をスタート。卒後4-5年目は、夫の留学に同行し、アメリカで研究生活。帰国後、卒後7年目までは外傷を中心とした整形外科一般研修をつみ、同期から1年遅れで専門医を取得。その後、大学で手外科専門研修ならびに学位を取得しました。小児整形外科を専門とした(=こども病院で勤務を開始した)のは、出産も経た、卒後12年目になってからです。

千葉大整形外科の医局の良いところは、様々な面で理解とサポートがあること。女性でも、こどもがいても、途中アメリカに行っても、ちゃんと整形外科医を続けられる包容力があります。そして、専門性も働き方も多様性が認められています。私も留学、出産で臨床から離れる時期もありましたが、スムーズに復帰することができました。現在も子育てをしながら、こども病院で外来・手術を担当しています。

 

<女性・お母さんであることの強み>

 こども病院では、多くの患者さんがお母さんと一緒に来院されるので、こどもの診察とともに、親御さんとのコミュニケーションも大切になってきます。時に『お母さん』の気持ちに寄り添えるということは、大きな助けになります。

 また、年頃の女の子の診察の場合、特に初めての受診のときには、女性医師だと安心されることがよくあります。症状によっては、男性医師へは言いにくいこともあります。整形外科医はまだまだ男性が多いので、貴重な存在となります。

 

<お母さん整形外科医の1日>

4:30 起床 身支度 家事

6:00すぎ こどもを起こす 朝食

7:40 保育園へ登園

8:30-16:00 仕事

17:30 保育園へ迎えに行って、帰宅

18:00 こどもと入浴

19:00 夕食準備 夕食 こどもと遊ぶ

20:30 寝かしつけながら一緒に就寝(寝落ち)

 

職場の育児支援制度を利用して毎日1-2時間の休業を取得しながら、なんとかやりくりしています。職場の上司、同僚たちの温かい配慮に、日々感謝です。