外傷・救急
更新日 2018.4.3
グループ紹介
外傷グループは平成31年に予定されている千葉大学病院高度救命救急センター設立に向けて、平成28年4月より活動を開始しています。地域の方々から求められる地域中核病院、3次救急病院としての役割を果たすとともに、大学病院として外傷に関する研究・教育にも力を入れています。 大鳥精司整形外科教授を発起人とし、中嶋隆行特任講師にご指導頂きながら各専門グループの外傷好き(写真参照)とともに毎日楽しく診療にあたっています。また全身状態の悪い重症外傷の患者さんや重度の合併症をお持ちの患者さんに対しては合同カンファレンスにて救急部及び他科医師とも活発な意見交換を行うことで、患者さんの為になる治療を実践できるよう心がけています。
外傷グループってなにをしてるの?
多発外傷・重度外傷への対応
千葉大学病院救命救急センターには多くの高エネルギー外傷患者さんが搬送されます。外傷グループとして平成28年度は54例もの高エネルギー外傷患者の治療に携わりました。
外傷グループではJATECに基づいた外傷初期診療、受傷早期からの整形外傷治療マネージメントを行い、重症外傷患者の予後の改善を図っています。また救急部と密に連携し全身管理も含めた治療ロードマップの策定を行い、早期の根本治療、リハビリテーション、社会復帰を目指します。
収容困難事例への対応
近年急病やケガを負い救急車を呼んでも受け入れ先がなくいわゆる『たらい回し』になってしまうことが問題視されています。千葉大学病院では10件以上の照会あるいは1時間以上の現場滞在となってしまった収容困難事例の受入れを積極的に行っています。
外傷グループでも収容困難となった外傷患者さんが不利益を被らないように、365日24時間体制で対応し、患者さんの状況に合わせて当院で手術を行ったりかかりつけの病院に連絡をとりスムースに治療が受けられるようにマネージメントを行っております。昨年度は13人の方が収容困難事例として当院に搬送され手術を受けられました。
重度の合併症を有する外傷症例に対する対応
様々な合併症(重度の腎疾患、心疾患など)をお持ちの方がケガをされた場合、合併症の治療を行いながら整形外科的な治療が必要となるため、救急要請を受け入れられる病院はかなり限られます。大学病院はその特長として多くの合併症の治療に長けたエキスパートが揃っており、また高度な全身管理ができる集中治療室も充実しています。外傷グループでは重度の合併症をお持ちの方がおケガをされた際にもお困りにならないように積極的に受け入れを行っています。
研修医・学生への外傷教育・治療の実践
大学病院では多くの学生さんや初期研修医の先生が毎日勉強されていて、整形外科にも毎年20人もの多くの後期研修医の先生が入局されます。外傷グループでは学生さんや研修医の皆さんと一緒に外傷に対するプライマリーケアを行ない、実際に診断し治療を計画します。また研修医(初期も含む)の先生に実際に多くの手術を執刀して頂いています。早い段階でエキスパートにしっかり指導してもらい確実な知識を蓄え実際に治療を経験することで、その後の一般病院での研修もスムースに始めていけるようで好評です。 また外傷グループでは千葉整形外傷研究会とともにtrauma small seminar(年4回、参加費無料)を大学病院内で行っております。これから外傷を学ぶ先生の痒いところに手の届く講義、明日から実際手術ができるハンズオンをモットーに多くの若手を中心とした先生方にご参加頂き好評を博しております。学年や所属関係なくどなたでも参加できますので少しでも外傷に興味がある学生さんや研修医の方はぜひご参加ください。
スタッフ
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- 大鳥 精司教授(科長)
- Seiji Ohtori, MD, Ph.D, Professor, Chair
- 経歴
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1994年 千葉大学医学部卒業、同大学整形外科入局
1997年 千葉大学医学部大学院入学
2001年 学位取得
2002年 カルフォルニア大学サンディエゴ校に留学
2003年 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 助教
2012年 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 講師
2015年 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 准教授
2016年 千葉大学大学院医学研究院整形外科学 教授
- 資格等
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日本脊椎脊髄病学会評議員
日本運動器疼痛学会理事
日整会専門医
日整会認定脊椎脊髄病指導医
日整会認定脊椎脊髄病医
日本疼痛学会評議員
独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門委員
- 受賞歴
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国際腰椎学会(ISSLS Prize)2014年,2012年,2005年 日本整形外科学会・学会奨励賞 2010年 日本整形外科学会基礎学術集会最優秀口演賞 2013年 日本運動器疼痛学会最優秀口演賞 2012年 千葉医学会賞 2010年 千葉大学オープンリサーチ学長賞 2009年 国際腰椎学会 ベストポスター賞 2007年 千葉大学いのはな同窓会賞 2005年 等
- 現在の研究
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- 腰痛、外傷後の疼痛の治療
- 業績一覧
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英語原著330編
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- 中嶋 隆行特任講師(東千葉メディカルセンター 副部長)
- Nakajima Takyuki, MD, Ph.D, Designated Lecturer
- 経歴
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1999年 北里大学医学部卒業、千葉大学整形外科入局
2005年 千葉大学大学院医学薬学府整形外科 博士課程入学
2008年 千葉大学大学院医学薬学府整形外科 博士課程修了
2014年 特任助教(東千葉メディカルセンター)
2015年 特任講師(東千葉メディカルセンター 副部長)
- 資格等
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日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
医学博士
- 受賞歴
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Nakajima T, Ohtori S, Inoue G, Koshi T, Yamamoto S, Nakamura J, Takahashi K, Harada Y. The characteristics of dorsal-root ganglia and sensory innervation of the hip in rats. J Bone Joint Surg Br. 2008 Feb;90(2):254-7. Nakajima T, Ohtori S, Yamamoto S, Takahashi K, Harada Y. Differences in innervation and innervated neurons between hip and inguinal skin. Clin Orthop Relat Res. 2008 Oct;466(10):2527-32. Nakajima T, Ohtori S, Nakamura J, Suzuki T, Aoki Y, Watanabe A, Takazawa M, Takahashi K. Inflammatory pain-related traits of sensory DRG neurons innervating the hip joints. J Orthop Sci. 2016 Dec 23. 中嶋隆行, 田中正, 大塚誠, 竹下宗徳 交通外傷による骨盤骨折、股関節脱臼骨折の治療成績の検討(治療成績、長期機能予後、QOL、予後不良因子の評価・検討)平成25年度JA共済交通事故医療研究助成受賞 中嶋隆行 大腿骨近位部骨折術後患者に対する3次元動作解析装置を用いた歩行解析 第42回日本骨折治療学会(平成28年7月1,2日)学会賞受賞 Korean Fracture Society and Japanese Society for Fracture Repair travelling fellowship program 2017
- 現在の研究
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- 骨折治療、人工関節に関する研究、外傷学
インプラントに関するバイオメカ試験
術後患者に対する3次元歩行解析装置を用いた研究
第43回日本骨折治療学会学会賞最終選考(7月7日選考会)学会賞とる予定
「ショートフェモラルネイルのラグスクリュー引き抜き強度とHA骨補填材による引き抜き強度の増強効果の検討」
- 骨折治療、人工関節に関する研究、外傷学
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- 姫野 大輔(大学院生、外傷グループ)
- Daisuke Himeno, MD.
- 経歴
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2008年 山梨医科大学医学部医学科卒業
2010年 初期研修終了(千葉県済生会習志野病院)、千葉大学整形外科入局
2016年 千葉大学大学院在学中(博士課程)
- 資格等
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日本整形外科学会会員
日本骨折治療学会会員
日本外傷学会会員
日本救急医学会会員
JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)プロバイダー
- 現在の研究
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- 新規生体吸収性骨接合材料の開発