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韓国整形外科学会総会参加記

更新日 2019.10.20

平成13年卒
古矢 丈雄

 この度、2019年10月17日-19日の日程で韓国ソウルにて開催された第63回韓国整形外科学会総会にて講演の機会を頂き、発表して参りましたのでご報告致します。

 

 学会はホテル併設のコングレスセンターで行われました。8つの会場にて早朝から夕方まで多くのセッションが組まれておりました。外傷学、関節外科学がメインですが、脊椎も1つの会場を2日間、縦でプログラムが組まれておりました。なぜか車の展示があったり、無料コーヒーに長蛇の列ができたり、多くの医師がロビーや会場外で盛り上がっているという風景は日本の総会と何ら変わりませんが、私が特に驚いたことは、英語を用いたセッションが多くを占めていることあります。一般口演を含め半数の口演ではプレゼンテーションおよびディスカッションも英語で行われておりました。また、ポスターはほぼすべて英語で作成されておりました。おそらく自国の参加者にとっては英語を用いる鍛錬になると思いましたし、また、外国からの医師を多く受け入れようという意気込みも感じられました。実際に多くの海外医師が招待または一般で参加されておりました。学術総会の国際化、グローバル化という意味では日整会総会や日本脊椎脊髄病学会よりも若干先に出ていると感じました。

 

 千葉大関連からの参加は千葉県こども病院整形外科の西須孝先生(H元年卒)と私の2名でした。千葉からの参加は私だけと思っておりましたので、会長招宴の席で西須先生の名前がスクリーンで紹介された時はびっくりしました(西須先生も同様に私が紹介されたときは大変びっくりされたようです)。発表前に西須先生にお会いし、少し緊張をほぐすことができました。

 

 今回の講演の機会は、以前に頚椎人工椎間板置換術を見学に行った際にご指導いただいたASAN Medical CenterのDong Ho Lee教授の推薦での抜擢でした。私は頚椎後縦靭帯骨化症に対する頚椎後方除圧固定術の中期成績と、同門の先輩であります新籾正明先生 (平成6年卒)が発案した頚椎前方椎弓根スクリューの千葉大学での成績についての2題について発表させていただきました。まだまだ若輩者ではありますが、国際学会での発表も少しずつ数をこなして徐々に慣れて参りました。しかし今回はこれまでの通常の一般口演よりも時間が少し長かったことと、ビデオを発表内に3つも組み込んだこともあり、少々ナーバスになっておりました。講演では、導入のつかみのスライドで笑って下さる方もいたり、質疑ではフロアからもいくつか質問もあり、まずまずの反響をいただくことができました。同セッションでは川口済生会病院の坂井顕一郎先生とご一緒させていただきました。坂井先生は私よりも少し上の学年の先生で、以前より学術活動も活発に行われており、質問も鋭く、また論文もコンスタントに書いている、目標とする先輩医師の一人です。坂井先生とは今回出発から帰国まで道中ご一緒させていただき、大変楽しい時間を過ごすことができました。

 講演発表後の夜は5年前に日本脊椎脊髄病学会アジアトラベリングフェロー参加の際にお世話になったSeoul National Universityのメンバーに伝統料理のお食事にご招待いただき、昔話や近況報告に花を咲かせました。

 

 最後になりますが、このような貴重な機会を与えていただきました韓国整形外科学会の先生方、私を推薦してくださったDong Ho Lee教授に深謝いたします。また、基礎学会期間と丸被りの日程でありながら参加を快諾いただいた大鳥精司教授、留守を預かってくださった脊椎脊髄班先生、後期研修医先生に厚く御礼申し上げます。

  • 写真1 会長招宴の席にて、西須孝先生 (左)と
  • 写真2 会場にて
  • 写真3 Seoul National Universityの脊椎班メンバーと、左よりHyoungmin Kim講師、Bong Soon Chang教授、坂井顕一郎先生、筆者、Sam Yeol Chang助教