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第21回日本骨粗鬆症学会参加記

更新日 2019.10.22

平成17年卒
稲毛 一秀

2019年10月11日~13日まで兵庫県神戸市にて開催されました第21回日本骨粗鬆症学会に参加させていただきましたのでご報告させていただきます。今回は台風19号の影響で一部欠演はございましたが、それにもかかわらず参加者が非常に多かったのが印象的でした (すべてのランチョン会場でお弁当が瞬殺でなくなるほどでした)。

今回の学会テーマは「多職種で骨卒中を防ぐ」ということで、特に盛り上がっていたトピックはやはり骨粗鬆症リエゾンサービスに関する内容でした。私自身も薬剤継続率の重要性(どんないい薬を使っても継続しなければ意味がない)を痛感しており、医歯薬連携やdrop out患者に対するアプローチ(電話やはがきでの連絡)などの演題は非常に参考になるものでした。また個人的には、本年販売された新規骨粗鬆症薬 ロモソズマブの最新のデータを知ることができたのも大きな収穫でした。

千葉大関連施設からも、医師およびコメディカルを含め80名以上が参加し今や一大勢力となっております。演題数も全国トップクラスとなっており、千葉大の骨粗鬆症研究に関するレベルの高さを再認いたしました。特に折田純久先生が座長を務められました、シンポジウム「骨粗鬆症の痛みについて(骨粗鬆症をとりまく痛みを考える~基礎・臨床知見の融合)」は大いに盛り上がり、折田純久先生、鈴木都先生を中心に行ってこられた骨粗鬆性疼痛に関する基礎臨床研究が全国的に高い注目を集めていることを実感しました。また本年度より千葉大学医学部附属病院でもOLS活動を開始しており、メンバーの臨床試験部 佐久間郁さん(演題名: 大学病院整形外科における骨粗鬆症患者の治療継続の傾向から,骨粗鬆症リエゾンサービスの関わり方を考える)、看護部 寺川純子さん(演題名: 大学病院整形外科における骨粗鬆症患者の治療継続の傾向から,骨粗鬆症リエゾンサービスの関わり方を考える)のご発表も盛況でした.さらに千葉サルコペニアリサーチグループの新規メンバーとして船橋中央病院の降旗裕博先生(演題名:  高齢者後弯症に対するレジスタンストレーニングの有効性に関する検討)が口演発表を行いました.今後も骨粗鬆性疼痛やOLS、サルコペニアなど幅広い分野で千葉大学整形外科教室のプレゼンスを示せるよう、引き続き研究および教育活動に精進してまいりたいと考えております。

最後になりましたが,このような大変貴重な機会を与えていただきました大鳥精司教授に心より御礼申し上げますとともに、日常の診療・研究におきましてご指導をいただいております古矢丈雄先生、折田純久先生はじめ脊椎グループの諸先生方、千葉大学整形外科同門・医局員の先生方にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。

  • 千葉大学整形外科メンバーと(左から臨床試験部 佐久間さん、海村先生、折田先生、稲毛、国府台病院 藤本先生、看護部 寺川さん)